孫の手よりつれあいの手
かゆい
寒い季節、布団に潜り込むとしばらくして、体があたたまるせいか背中がかゆくなる。ピンポイントでなく、背中のほぼ全体がかゆい。
かゆいところに手の届く竹製の孫の手でバリバリ引っかくと治まるので、パジャマの首筋から孫の手を突っ込んでかゆみが来るのを待ち受けるのが常だった。
塗ると
つれあいに言うと、化粧品の類をなにか塗ってくれた。スキンクリームなのか乳液なのかラベルを見たけど、もう忘れた。けど、塗ってもらった夜はかゆくならなかった。
今日も風呂上がりに塗ってくれた。自分の手では届かないところにも行き渡った。今夜も、かゆみと無縁で眠れることだろう。
わしにとっては、孫の手よりもつれあいの手なんじゃ。