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ZERO to ONE

みなさんこんばんわ😊

MORISISです!

今日は、世界最大のオンライン決済サービスとなったPayPalの創業者、ピーター・ティール氏の著書「ZERO to ONE」の内容を紹介します。

PayPalは、2002年に15億ドルでebayに買収され、巨額の資金を得て数多くの企業を創業しています。
PayPal創業メンバーはその結束力と影響力から「PayPalマフィア」と呼ばれています。

スペースXを創業し、テスラも経営するあのイーロン・マスクもその1人です。

ティール氏自身も、投資家として数多くのスタートアップに関わってきました。
本書はティールが自分の経験を、スタンフォード大学の学生に講義した内容を本にしたものです。

本書はZEROからONE(新しい何か)を生み出す考え方を教えてくれます。

ティール氏は世の中の進化には2種類あると言っています。

1つは「1をnにする」過去の成功を参考に、よりうまくやることです。
しかし新しいものを生み出すわけではないですし、すでにライバルがいるので、過当競争になり低収益になるといいます。

もう1つがこの「ゼロから1を生み出す」です。
誰もやらないことをやることです。
過去の成功パターンは参考になりません。ライバルがいなければ市場を独占でき、高収益になるといいます。

ではどうすればいいのか?ティール氏が採用面接で必ず聞く質問に答えが凝縮されています。

「賛成する人がほとんどいない。大切な真実とは何か?」

あなたならどう答えるでしょうか?

答えるのがとても難しい質問です。

「人はお金を持ち歩かなくなる」はダメです。今や多くの人が賛成しています。

多くの人が微塵も疑わない、常識を越えたところに「隠れた真実」があり、未来への進化の種があります。

例えば2009年にこう考えた人がいました。

「どこかに行きたいという人と送りたい人をつなげれば、ビッグビジネスになる。でも世の中のほとんどの人は『街中のタクシーをつかまえれば十分だ。』と思っていて、このビジネスチャンスに気づいていない。」
当時、この考えに賛成する人はほとんどいませんでした。
しかしこの「どこかに行きたい人と送りたい人をつなげるとビッグビジネスになる」という隠れた真実を実現した配車サービスが、あのUberです。
2018年時点で企業価値8兆円の企業です。

似たようなことをするから競争になります。
「隠れた真実」を見つけ、それを実現して市場をつくり、独占し支配すればムダな競争をせずに済みます。

こうして生まれる独占企業の特徴は4つあります。

2番手よりも10倍優れた「自社独自の技術」がある。Googleは検索、Amazonは商品の品揃えという技術でライバルを圧倒している。

Facebookは知り合いが多く使っているから価値がある。このように、利用者が増えるほど利便性が高まる「ネットワーク効果」を活かしている。

規模の経済」を追求している。独占企業の多くがソフトウェア企業だ。ソフトウェアのコストは、ほぼ開発費。ユーザー数が増えてもコストは増えないので、ユーザー数が増えて売上が上がれば高収益になる。

これらの実績をベースに「強いブランド」をつくり上げている。いまや検索といえばGoogleだし、SNSといえばFacebookだ。

新しいことを始めるとき、多くの人が「大きな市場を考えろ」と言うが、それば大間違いだ、とティール氏は言っています。
まず小さく始め、小さい市場を独占することです。

ティール氏がPayPalの決済サービスを始めた時、ebayで取引が多い数千人のパワーユーザーに狙いを絞り3ヶ月集中的な売り込みをして、彼らの4分の1に決済サービスとして使ってもらうところから始めました。

そして小さい市場を独占した後は、規模を広げて拡大します。
Amazonは書籍販売で圧倒的な品揃えを実現すると、今度はCD、ビデオなどの商品に規模を拡大しました。

ゼロから1を生み出すには最初が肝心です。
ティール氏は「創業時にグチャグチャなスタートアップは、あとで直せない」という「ティールの法則」を提唱しています。

まず明確なビジョンをつくり、仲間と意思を共有し、計画的な事業内容を決めます。
そしてビジョンを共有する少人数で始めます。

ティール氏はその理由をこう述べています。

「時間は一番大切な資源だ。一緒にいたいと思えない人のためにそれを使うのはおかしい。絆が強いほど、居心地よく仕事も捗るし、その後の将来のキャリアもうまくいく。だから一緒に働くことを心から楽しんでくれる人を雇うことにした。」

PayPalもビジョンを共有する熱い仲間が集まり、今も強くつながっています。
新しい事業を立ち上げる時は、メンバーは少なく、経営資源も限られています。
素早く動かなければ生き残れません。
だから自分に似通った人間を集めるべきだとティール氏は考えているのです。

実はティール氏は「リーン・スタートアップ」や「アントレプレナーの教科書」で紹介されているような内容には批判的です。

スケールが小さい。大胆な計画なしに反復するだけでは、ゼロから1は生み出せない。

とのことです。

ティール氏は「ゼロから1を生み出すには、最初に偉大なる意思が必要」と考えているのです。
常識にとらわれずに、ほとんどの人が認めない「隠れた真実」を探し出し挑戦することに巨大なビジネスの種が眠っていると、ティール氏は狂信的に信じているのです。

ティール氏の考え方とリーン・スタートアップのどちらが正しいかを議論するのは、あまり意味のないことだと思います。
各々の方法論で、現実にすばらしい新事業がたくさん生まれているからです。
新しいモノを生み出す方法は1つではありません。
人はみんな違っていいのです。
「自分の考え方に近い」と思うほうを選べばいいのです。

このように整理して考えると、日本企業は極端です。
成功を一斉に真似する「1からn」の企業ばかりです。一見リスクが少ないですが、すぐ過当競争になります。
「ゼロから1」にする「隠れた真実」に眠っている大きな金脈にもっと目を向けてもいいのです。

企業の会社員こそ、個人でリスクを負うことなく挑戦できる立場にあります。
多くの会社員が「隠れた真実」を考え、挑戦するようになれば、日本でも数多くのイノベーションが次々と生み出せるようになるはずです。

「賛成する人がほとんどいない大切な真実」を見つけて実現しよう!

最後までお読み頂き、ありがとうございます😊

では✋

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