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顧客からの「学び」が新しいビジネスを生み出す!

みなさんこんばんわ😊

MORISISです!

今日紹介するのはエリック・リース氏の「リーン・スタートアップ」という著書です。

本書ではスタートアップ(世の中にない新しいビジネスを立ち上げる企業)を成功させる方法を、分かりやすく説明しています。

著者のリースはスタートアップ企業IMBUの若き最高責任者の立場で、「アントレプレナーの教科書」を書いたブランク氏の一番弟子として学びました。

そして現場で実践し学んだことをさらに進化させた方法論を「リーン・スタートアップ」と名付け、現在は幅広い業界にコンサルティングを提供しています。

昨日紹介した「アントレプレナーの教科書」でブランク氏は、「商品が必要な顧客を早く発見しろ」と言っていました。
リースはこれをさらに一歩進めて、「顧客が必要とする『実用上最小限の機能を持った製品』を早くつくり、検証しろ」と言っています。

この「実用上最小限の機能を持った製品」のことを
「MVP」(Minimum Viable product)と名付けています。

しかし従来型の製品開発をしてきた人ほど「商品やサービスが、そう簡単につくれるわけがない」と思いがちです。
そこでどうやるか、実例で考えていきます。

「ザッポス」という、米国で靴のネット販売をする会社のお話です。

ザッポスの起業は1999年。当時はネットでモノを買う人自体が少ない時代でした。
試し履きが必要な靴が売れるかなんて、いくら調べても分かるわけがありません。

そこでザッポスは簡単なMVPをつくり、本当に靴が売れるか検証しました。

まず近所の靴屋で許可をもらい、商品の靴の写真を撮りました。
店には「ネットで売ります。注文が来たら売値で買います。」と伝えました。

そして数日で簡単なウェブサイトをつくり、靴の写真を掲載して注文できるようにしました。

こうして実際にやってみると、本当に注文が来ました。
値下げするも注文がどう変わるかも分かりました。
靴の返品への対応方法も学べました。

靴のネット販売を始めたザッポスは急成長し、Amazonが巨額で買収しました。

リーン・スタートアップはこうして「学び」の積み重ねを重視します。
「アイデア」を基に製品(=MVP)を構築し、顧客の反応などのデータを「計測」し、結果きら「学び」を重ね、学びのフィードバックループを何回も何回も繰り返します。

ここで陥りがちな罠があります。
完璧にやろうとして、学びのループを1周回すのに時間がかかりすぎることです。
実は時間がかかりすぎること自体が、大きなムダなのです。

たとえばザッポスが「顧客が見るサイトだから、ちゃんと美しくつくろう」と考えてサイトを1ヶ月かけてつくっても、その1ヶ月の顧客からの学びはゼロです。

ザッポスは数日間でMVPとして簡単な販売サイトをつくり、実際に靴を販売し、データをとりました。
開始して数日後には学びを得ています。

さらに学んだ結果を基に、値下げしたり返品対応したりして、ループを高速で回し続け、短時間で多くの学びを積み重ねていったのです。

このように、各活動を完璧に行うことが大切なのではありません。
ループを数多く回し続けて、顧客からの学びをより多く蓄積することが大切なのです。

私たちは、新規事業や起業では、凄いアイデアとか戦略が重要と思いがちです。
しかし、それらは全体の5%に過ぎません。

95%は、製品に優先順位を付け、顧客を選び、顧客に検証し、データを取り、学びを積み重ね、方向修正する、といった地道な作業の積み重ねなのです。


米国ボディズン社の創業者は「市民が政治に参加できる仕組みをつくりたい」と考え、有権者がネットでつながる機能を3ヶ月かけてつくりましたが、登録者数も使う人も少なく、8ヶ月かけて細かく使い勝手を改良し利用者や登録率は増えましたが、当初の目標にはまだまだ遠い状況でした。


そこで機能を大胆に見直して有権者同士がつながる機能は廃止。代わりに政治家にネットで直接意見を伝えられるシステムにしたところ、登録数も使い続ける人も急増しましたが、「お金を払ってもいい」という人は1%以下。
これではビジネスになりません。


そこで再度方向転換し、ロビー活動をする企業からお金をもらう仕組みに変えましたが、今度はどの企業も渋って契約してくれません。


ここでさらに方向転換し、ユーザーが実現したい政治運動に賛同する仲間を1メッセージ20セント払って集められるサイトにつくり変えました。
すると登録率も使い続ける人も増え、ユーザーの11%がお金を支払ってくれるようになりました。

ボディズンは細かい修正と戦略の方向転換をしつこく
続けることで、成功したのです。

本書ではこのような戦略の方向転換のことを「ピボット」と名付けています。

このように必要なのは、地道に愚直に、顧客視点でひたすら改善を続けることなのです。

シリコンバレーの起業家たちは「凄いアイデアは全体の5%で、95%は地道な改善作業の積み重ねだ」ということをよく分かっているのです。

未知の領域に挑んでいる世界最先端のビジネスだからこそ、顧客視点での愚直な改善活動により、新たな学びを積み重ねることが何よりも大切なのです。

最短距離で顧客が必要とするMVPをつくり、愚直に改善し続けよう!

最後までお読み頂き、ありがとうございます😊

では✋

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