第126回おうちでレガシー カバレージ Round1 Oops(ジェスカイバイアル) VS 夜光(ジャンド)
ここに《溌剌の牧羊犬、フィリア》というクリーチャーがいる。攻撃することでパーマネントのブリンクが可能であり、これでクリーチャーの場に出た際の誘発を使いまわすことが可能となる。
これで《石鍛冶の神秘家》や《護衛募集員》などをブリンクしてアドバンテージを稼ぐギミックを「Death and Taxes」が入れていたことは記憶に新しいが、ここへきてよくないことを考えるプレイヤーが現れた。彼らの言い分はこうである
「《金粉のドレイク》ブリンクすれば相手のクリーチャー全部奪えるじゃん。」
そうした よくない 思想のもとに成立したデッキが今回「Oops」が持ち込んだ「ジェスカイバイアル」である。このデッキの思想は単純明快。「《金粉のドレイク》や《ナカティルの最下層民、アジャニ》といった強力な誘発を持つクリーチャーを《溌剌の牧羊犬、フィリア》などで再利用してドカドカアドバンテージを稼ぐ」というものである。
これに対するは「夜光」の「ジャンド」。豊富な除去と手札破壊に支えられた、元祖ボードアドバンテージを稼ぐデッキであり、その存在感は未だ健在である。
いうなればこの試合、元祖アドバンテージデッキと最新のアドバンテージデッキのぶつかり合いともいえる。果たして、どちらが勝利を勝ち取ることになるのか。その様子を見ていこう。
■Round 1
夜光はまず《思考囲い》で手札を確認。公開された手札の中にコンセプトである《溌剌の牧羊犬、フィリア》を認めた夜光は、これを捨てさせていく。そして続くターンに《オークの弓使い》を展開し、Oopsへじわじわと圧力をかけていく。
ドロー呪文を封じられたOops。しかしここは焦らず、サイドボードの《空を放浪するもの、ヨーリオン》を手札に加えつつ状況を見守っていく。これを好機と見たか、夜光は《黙示録、シェオルドレッド》を展開。しかし、ここには《剣を鍬に》が突き刺さる。
ターンを貰ったOopsは《舷側砲の砲撃手》を展開。夜光のライフを削りにかかる。夜光は《稲妻》で《舷側砲の砲撃手》を処理し、再び盤面の主導権を握りにかかる。
この盤面の優位を決定づけたい。夜光は《舷側砲の砲撃手》を展開し、一気にライフを削りにかかるが、これにはOopsが《孤独》をプレイ。《舷側砲の砲撃手》を除去しにかかり、そのまま《オークの弓使い》を討ち取りにかかる。が、これには夜光が《稲妻》で対処していく。
再び夜光微有利に戻る盤面。しかし、ここでOopsは2枚目の《舷側砲の砲撃手》を展開。更に続くターンに《空を放浪するもの、ヨーリオン》を盤面に叩きつけていく。5マナ4/4という巨躯を前に、夜光の手が止まる。
夜光は《突然の布告》をプレイ。Oopsは《舷側砲の砲撃手》を差し出つつ、続くターンで《護衛募集員》をプレイ。デッキコンセプトである《溌剌の牧羊犬、フィリア》を手札に加える。
夜光は意を決して《オークの弓使い》とトークンでコンバット。しかし、瞬速を持つ《溌剌の牧羊犬、フィリア》がOopsの手札から飛び出し、《オークの弓使い》を討ち取っていく。
このまま返しのターンでコンバットされてはマズい。なんとか壁を作ろうと夜光は《飢餓の潮流、グリスト》をプレイするが、生成したトークンは《溌剌の牧羊犬、フィリア》により追放され決着。1本目はOopsが取っていく。
Oops1ー夜光0
■Round 2
2ゲーム目、夜光は《オークの弓使い》を展開。そのままターンを貰うと、《思考囲い》をプレイ。《金粉のドレイク》を捨てさせると、夜光は続け様に《ウィザーブルームの初学者》をプレイ。Oopsにターンを渡す。
Oopsはターンを貰うが、現状手札には土地と《一つの指輪》のみ。有効打が取れないと判断し、そのまま夜光にターンを渡す。
ターンを貰った夜光は再度《思考囲い》をプレイ。Oopsの手札に対応がないことを改めて確認した夜光は、そのまま《煙霧の連鎖》を自分にプレイ。自分の手札全てと引き換えに怒涛の勢いで《煙霧の連鎖》をコピーし、《ウィザーブルームの初学者》によりライフを削り切った。
Oops1ー夜光1
■Round 3
最終ゲーム。まず仕掛けるのはOops。2マナ支払い《ナカティルの最下層民、アジャニ》を展開。夜光の盤面に圧力をかけていく。夜光は《喜ぶハーフリング》を展開しつつ《苛立たしいガラクタ》を展開し、Oopsのピッチスペルを抑制していく。
互いに理想の滑り出しと言えるが、ここでOopsが繰り出したのは《金粉のドレイク》。夜光の《喜ぶハーフリング》と交換し、盤面を固めていく。夜光は《オークの弓使い》を展開し、猫トークンを処理。変身した《ナカティルの報復者、アジャニ》は《金粉のドレイク》諸々で対処。ひとまず第一波をしのぎ切る。
しかし、Oopsの攻め手は緩まない。まず《トレイリアの大魔術師、バリン》をプレイすると、《金粉のドレイク》をバウンスしたいと宣言。たまらず夜光は《稲妻》を《金粉のドレイク》へ撃ち込んでいくが、いわば0対2交換という訳の分からない状況が発生してしまう。
そして更に飛び出る《ナカティルの最下層民、アジャニ》。圧倒的優位になった盤面を前に、夜光はたまらず《苛立たしいガラクタ》を起動。カードを引いていこうとする。しかし、トドメを刺すかのように、Oopsは《一つの指輪》をプレイ。夜光にアドバンテージ差をつけていこうとする。
夜光は《稲妻》で《ナカティルの最下層民、アジャニ》、《突然の布告》で《喜ぶハーフリング》を処理するが、依然としてOopsの手札は増え続け、《溌剌の牧羊犬、フィリア》《護衛募集員》が盤面に送り込まれる。更に《護衛募集員》で《孤独》が手札に加わり、いよいよOopsの優位が確固たるものになる。
夜光は《一つの指輪》をプレイ。そのままカードを3枚引き込んでいくが、よりによって引けた手札が《ウィザーブルームの初学者》と《煙霧の連鎖》。2ゲーム目勝利をつかんだカードだが、Oopsの手札に《孤独》がある以上、このコンボは成立しない。
夜光は手札を公開し、Oopsに右手を差し出した。
Oops2ー夜光1