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第118回おうちでレガシー カバレージ Round3 けんだま(セファリッド・ブレックファースト) VS Nonka(クレイドルコントロール)

「いや~この環境で《石鍛冶の神秘家》はね。ちょっとやってられないっすね~。」

こう語るのは「けんだま」。《石鍛冶の神秘家》を愛するプレイヤーだけにこの言葉は重い。しかし、カードパワーが高まってきた昨今のレガシーでは、装備品1枚をサーチするだけでは決着がつかず、ズルズルと負けてしまうと言われてしまえばそれまでではある。

そんな彼が今回用いるのは「セファリッド・ブレックファースト」。《セファリッドの幻術師》を軸に《手甲》《コーの遊牧民》を組み合わせ、セルフミルを行い勝利するコンボデッキである。

フェアデッキを好む彼がコンボデッキを?と思うかもしれないが、彼にその判断を下させた新要素が《有翼の叡智、ナドゥ》である。能力の対象に取られるたびに莫大なアドバンテージを稼ぎ出すこのカードの相性は言うまでもなく、時にフェアに、時にアンフェアに立ち回れるこのデッキはまさにうってつけともいえる。

これに対するは「Nonka」。彼は今回「クレイドルコントロール」でけんだまを迎え撃つ。もとは《ガイア揺籃の地》を軸とし、状況に応じてクリーチャーを《緑の太陽の頂点》から探してくるデッキであり、いわゆる「職工エルフ」という名前で親しまれていたデッキである。

今回「モダンホライゾン3」の加入により多数のカードを獲得したこともあり、けんだまのデッキと同様、期待のアーキタイプの一つと言える。

「石鍛冶の時代は終わった。これからはナドゥで行く。」

愛するがゆえに《石鍛冶の神秘家》を捨てた男。その覚悟のほどは。


■Round 1

先手を貰ったけんだまは《コーの遊牧民》を展開。続くターンで《セファリッドの幻術師》も展開したけんだまは、さっそく《セファリッドの幻術師》を対象に《コーの遊牧民》の能力を起動。コンボを始動していく。

あっという間に墓地に置かれるけんだまのライブラリー。そして墓地に落ちたことにより帰ってくる《ナルコメーバ》。普通はここから《戦慄の復活》を唱えて《タッサの神託者》とつなげる動きが主流である。

が、けんだまはここでワンクッション、墓地の《陰謀団式療法》をフラッシュバックする。Nonkaのセットした土地を見つつ、けんだまはこうコールする。

「指定《忍耐》でお願いします。」

コールを受けたNonkaは渋い顔をしつつ、手札の《忍耐》を想起コストで唱え、けんだまの墓地を一度ライブラリーに戻す。しかし、ライブラリーに戻されたところで状況は一切変わらず、再度けんだまは同様の手順で自身のライブラリーを全て墓地へ送り込む。

改めてNonkaの干渉手段がないことを確認した上で、けんだまは《戦慄の復活》をプレイ。《タッサの神託者》を釣り上げ試合終了。まずはけんだまが白星を獲得していく。

けんだま1ーNonka0

■Round 2

2ゲーム目、コンボを嫌うNonkaはまず《思考囲い》をプレイ。けんだまの手札を確認していく。公開された手札は《有翼の叡智、ナドゥ》《思案》《剣を鍬に》と土地。Nonkaは動きの起点となりえる《有翼の叡智、ナドゥ》を捨てさせていく。

動きを大きく鈍らせたことを確認したNonkaは《貴族の教主》を展開し、マナを伸ばしていく。更に続くターン、Nonkaは《春心のナントゥーコ》を《貴族の教主》に授与しつつ、土地をセットし昆虫トークンを生成、盤面を固め始める。

けんだまは《ウルザの物語》を展開しつつ、こちらも盤面を固めにかかるが、ここで唯一見誤っていたことがあるとすれば《春心のナントゥーコ》の展開能力だろう。

Nonkaは土地をセットしつつ《春心のナントゥーコ》の能力を2マナ払い解決。盤面に授与先である《貴族の教主》のコピーを盤面にばらまいていく。「相手マナの出力相当増えてない?」けんだまは違和感を覚える。そして、昆虫トークンが攻撃してきたのを確認し、その違和感は恐怖へと変わる。

「あれ?昆虫トークンのサイズおかしくない?」

そう、最近は使われていないこともあって忘れ去られているのだが、《貴族の教主》は賛美持ち。たくさん《春心のナントゥーコ》で増やしてしまえば、クリーチャーの突破力はとんでもないことになるのである。

焦りを覚えたか、けんだまは《ウルザの物語》から《機能不全ダニ》をサーチ。エンチャントである《春心のナントゥーコ》を処理しにかかる。

が、時すでに遅し。盤面に十分量の《貴族の教主》を供給できたことを確認したNonkaはマナを一気に稼ぎ出し、《緑の太陽の頂点》をプレイ。盤面に《孔蹄のビヒモス》を叩きつけると、昆虫トークンと共にコンバット。あっという間にけんだまは肉片となった。

けんだま1ーNonka1

■Round 3

最終ゲーム。けんだまは《コーの遊牧民》をプレイしターンをNonkaへ渡す。1ゲーム目の展開がフラッシュバックしたか、Nonkaは即座に《思考囲い》をプレイ。手札を確認しコンボを妨害にかかる。

後悔された手札は《思案》《有翼の叡智、ナドゥ》《セファリッドの幻術師》…勢いあるラインナップを見てNonkaの首元に冷や汗が噴き出る。ひとまずは次のターンが返ってくるように、《セファリッドの幻術師》を捨てさせコンボを挫き、ターンを返していく。とりあえずしのいだか。しかし、次の瞬間…。

「おっ!トップデッキ《セファリッドの幻術師》やん!」

Nonkaは膝から崩れ落ちた。

けんだま2ーNonka1

■デッキリスト

■対戦動画


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