第127回おうちでレガシー カバレージ Round1 Sator(ホガーク) VS Oops(ジェスカイバイアル)
既存のデッキリストをこねて遊ぶ。それもMTGの遊び方の一つである。しかし、それだけがMTGの楽しみ方ではない。全くの無地の状態から、新しい発想でデッキを組むことも、あるいは、今のメタゲームの間隙を縫うデッキを考案することもまた、MTGの楽しみ方である。
今回決勝卓についた「Sator」は、前者の楽しみ方をするプレイヤーである。彼が今回持ち込んだデッキは「ホガーク」。「《縫い師の供給者》で墓地を一気にため、同時に墓地に落ちた《墓所這い》《恐血鬼》《復讐蔦》などと一緒に《甦る死滅都市、ホガーク》でライフを一気に削る。《狂気の祭壇》によるコンボも視野。」といったデッキが我々がよく知るホガーク…なのだが、どうも様子がおかしい。型破りな彼はどのような展開を見せてくれるのだろうか。
対する「Oops」の「ジェスカイバイアル」は、後者のデッキと言える。とにかくクリーチャーが強力な現環境、「相手のクリーチャーを《金粉のドレイク》で強奪すればいいんじゃないか?」という事に着眼した彼は、《金粉のドレイク》と《溌溂の牧羊犬、フィリア》の組み合わせを軸に、このデッキを組み上げてきている。
それぞれの哲学に基づき、お互いにテーブルに座る。今宵の全勝決定戦、その様子を見ていくことにしよう。
■Round 1
先に仕掛けるのはSator。土地を置き、彼が唱えたカードは《その名を言え》。全く見慣れないカードに目を白黒させるOopsを前に、Satorは悠々と墓地を貯めていく。何か危険な匂いを感じたか、Oopsは《ナカティルの最下層民、アジャニ》を展開。早速Satorのライフを削りにかかる。
これに対し、Satorは《色めき立つ猛竜》を展開。そのままライブラリーをめくっていく。めくれたカードは《探偵のフェニックス》。そのまま追放され、SatorはOopsにターンを渡す。
淡々と事実を並べているが、どう考えたって普通のデッキではない。Oopsの中で目の前の相手の危険度が急に引き上げられる中、Oopsにできることは《空を放浪するもの、ヨーリオン》を手札に加えることのみ。
怪訝な顔のOopsを尻目に、Satorは更に《邪悪鳴らし》をプレイ。墓地を増やしつつ、落とし子トークンを生成していく。そして、Satorが取り出したカードは《血編み髪の匪賊》。一体全体何がしたいんだ?とOopsが首をかしげる中、昂揚を達成していた《血編み髪の匪賊》が続唱を誘発。
これによりOopsがライブラリーから唱えたカードは《衝撃の足音》。盤面にサイトークンが2体生成される。そして、これを召集コストに充て、墓地から《甦る死滅都市、ホガーク》をプレイ。これこそが、Satorが今回持ち込んだデッキの全容である。気づいたときには既に致死量のクロックが。これにはさすがのOopsも荷が重いか。
しかし、ここからOopsが粘りを見せる。エンド時に《溌溂の牧羊犬、フィリア》を展開。そして《剣を鍬に》で《甦る死滅都市、ホガーク》を対処していく。
そしてターンを貰うと、Oopsは《溌溂の牧羊犬、フィリア》と《ナカティルの最下層民、アジャニ》を走らせる。《溌溂の牧羊犬、フィリア》でサイトークンを吹き飛ばしライフを削ると、先ほど手札に加えた《空を放浪するもの、ヨーリオン》をプレイし、自身のクリーチャーをブリンク。盤面の優位をひっくり返していく。
一気に形勢をひっくり返されたSator。《色めき立つ猛竜》から《エルフの指導霊》を展開し何とか盤面は構築していくが、Oopsの牙城を突き崩すには至らない。
二度目の《衝撃の足音》は《意志の力》で弾きつつ、そして飛び出す《時を解す者、テフェリー》。Satorのデッキの肝である《衝撃の足音》を封じられる形に至り、Satorは盤面を畳むこととなった。
Sator0ーOops1
■Round 2
2ゲーム目、開幕土地と《猿人の指導霊》から《邪悪鳴らし》をプレイ。墓地を貯めつつ、続くターンで《色めき立つ猛竜》を展開。めくれたカードは《衝撃の足音》。これにはたまらずOopsは《意志の力》をプレイ。
初撃はしのがれるSator、しかし続いてOopsは《蓄え放題》をプレイ。墓地を切削しつつ、《血編み髪の匪賊》を手札に加えていく。二の矢を放たれてはたまらないと《不毛の大地》でSatorの赤マナを封じていくが、続くターンでSatorは手札の《猿人の指導霊》と併せ《血編み髪の匪賊》をプレイ。《衝撃の足音》を叩きつけていく。
盤面を圧倒し、さらに次のターン、《甦る死滅都市、ホガーク》まで飛び出るに至り、流石のOopsも盤面を畳むに至った。
Sator1ーOops1
■Round 3
最終ゲーム。Satorは《蓄え放題》から《森の知恵》を回収しそのまま続くターンでプレイ。手札を拡充し、Oopsに差をつけていこうとする。
が、ここでOopsは《溌溂の牧羊犬、フィリア》を展開。更に《時を解す者、テフェリー》も展開し、Satorの展開を大きく阻害する。
何とかひっくり返したいSatorだが、有効打を取ることが出来ない。ここを攻め時と判断したか、Oopsは《舷側砲の砲撃手》と《ナカティルの最下層民、アジャニ》を展開。猫トークンを《舷側砲の砲撃手》で投げつけ《ナカティルの報復者、アジャニ》へ変身させていく。
ライフと盤面の均衡が一気に崩れ去る。何とかして盤面を持ち直そうにも、デッキの根幹の動きを《時を解す者、テフェリー》で阻害されている状況で、Satorが取ることのできるプランは何もなかった。
Sator1ーOops2