マッサンの統率者構築記 ①ゴブリンの武器職人、トッゴ/東の樹の木霊
1.はじめに
岩石(がんせき)とは、世間一般には、岩や石のこと。石の巨大なもの、特に無加工で表面がごつごつしたものを岩(いわ)と呼び、巌、磐とも書く。学術的には、自然的原因による起源をもつ、数種あるいは一種類の鉱物や準鉱物(火山ガラスなど)の集合体を指す。(Wikipediaより引用)
お前は一体何を調べてるんだと思われるかもしれない。いや、実際筆者もまさかこの項目をマジメに検索する日が来るとは思わなかった。
筆者が今必死になって調べていたのは「岩石」。要するに「石」だの「岩」だの…まあ、言ってしまえばその辺の道端に転がっている石ころのことである。
コロコロしたサイズのかわいらしいものから、巨大なものは資材として使われたりするが、まあ自然発生する物体だろう。Wikipedia先生もちゃんと「自然的原因による起源を持つ」と書かれている。一応そのことを確認したいがために、色々調べ物をしていたというわけである。
…え?なんでこんな項目を必死になって調べていたのかって?
実はつい最近、「岩を「発明」した男がいる」という話が筆者の耳に飛び込んできたためである。
《ゴブリンの武器職人、トッゴ》
…誰?と思う人もいるだろう。いや白状すると筆者もそう思った。実はこのトンチキな主張をしているゴブリン、その道ではかなりの有名な御仁らしいのだ。
この主張、何も昨今言い出されたわけではなく、カード的にははるか20年近く前にその起源をさかのぼることが出来る。
稲妻好きだぜ!俺の発明では、岩以来最高の出来だな。(「オンスロート」収録《ショック》 フレーバーテキストから引用)
要は自然発生した稲妻で敵を焼き殺したり、岩をぶつけて人を殺して、それを発明と言い張るような感じだろうか。ムチャクチャな主張である。ゴブリン社会ではどうか知らないが、人間社会では取るに足らない「発明」として忘れ去られていくに違いないだろう。
しかし、歴史を紐解くと、当時は「何だこの珍発明!?」と思われていたものが、大きく世界を変えてしまったケースが多数存在する。ひょっとしたらこの発明もやれるのではないだろうか?
今回は、そんな彼の「発明」がいかなるものなのか、じっくり見ていくとしよう。
2.こいつで何が出来るのか
さて、そんなMTG界の珍百景ことトッゴ氏。彼の発明…もとい能力をしっかりと見ていこうではないか。
《ゴブリンの武器職人、トッゴ》
2R
伝説のクリーチャー ― - ゴブリン・工匠
2 / 2
土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、「岩」という名前で「装備しているクリーチャーは『1, T, 岩を生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。このクリーチャーはそれに2点のダメージを与える。』を持つ。」と装備1を持つ無色の装備品・アーティファクト・トークンを1つ生成する。
共闘(両方が共闘を持つなら、あなたは2体の統率者を使用できる。)
彼の能力だが、一言で言うと「土地を置くたび「岩」を作り出す」。ということに集約される。
この「岩」、カード的には1マナで装備できる装備品であり、装備したクリーチャーは1マナと自身のタップと引き換えに、この岩を好きな相手に投げ飛ばすことが出来る。岩がぶつけられた相手は2点ダメージだ。
恐らくフレーバーテキスト的には、トッゴが愛していた稲妻…というより《ショック》と同じダメージをたたき出せるということだろう。
…あまりにシンプルが過ぎる。筆者が普段紹介しているブロールの統率者連中のほうがまだ書くことがあるように見えるが大丈夫か?!ホントにこの発明大丈夫なんだろうな?
3.こいつでどうやって勝つのか
このトッゴの能力だが、繰り返すと「土地を置くたび「岩」を作り出す」というものである。
一応岩をぶつけた相手には2点のダメージが入るので、土地をせっせとおいて投石に勤しんでもいいように見えるが、今回の舞台は筆者の主戦場である1v1ブロールではない。統率者戦である。
統率者戦において各対戦相手のライフポイントは40点。更に、プレイヤーの数は4人。つまり、勝つために削り切るべき総ライフは3×40=120点。岩換算で60個である。
やろうと思えばトッゴ以外のデッキを山99枚にしてひたすら岩を捻出。しかる後にトッゴ自身が岩を相手に投げつけまくるデッキも作れなくはないだろう。だが、それにしたって相手を全部岩で屠るまで数十ターンかかるだろう。あまりに気が遠い話である。というかそんなデッキを作ってしまっては構築記事もクソもあったもんじゃない。
やはりこの岩、不良品じゃなかろうか?
だが、かつて粘着力が弱過ぎて不良品扱いされた糊が、大人気ビジネスアイテムである「ポストイット」を生み出すきっかけとなったように、一見不良品のようなこの能力も、見方を変えればとんでもない発明につながる可能性があるのだ。
見方を変えてみよう。トッゴのこの能力、言い換えると「土地を置くだけでアーティファクトを盤面に出せる」と書いてある。
「ほぼノーコストでパーマネントを盤面に供給できる」
…何ともまあヤバい響きである。MTGというゲームにおいて、ノーコストで何かしらの行動がとれるというのは、大体危険な挙動が出来ることとして認識されていることだろう。
そしてお察しの通り、このトッゴの能力を悪用できるカードがある。今回の記事のタイトルにもなっているコイツである。
《東の樹の木霊》
4GG
伝説のクリーチャー ― - スピリット
6 / 6
到達
他のパーマネントが1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、それがこの能力によって戦場に出たのではなかった場合、あなたはあなたの手札から点数で見たマナ・コストがそれ以下であるパーマネント・カード1枚を戦場に出してもよい。
共闘(両方が共闘を持つなら、あなたは2体の統率者を使用できる。)
なんかゴチャゴチャ書いているが、要は「場にパーマネントが出たら、それと同じかそれ以下のコストのパーマネントを手札から場に出していい」と書いてあるクリーチャーである。
この木霊くんの能力を踏まえたうえで、改めてトッゴの岩を見てみよう。
マナコスト0のパーマネントである。
では、トッゴの岩を生成する条件となるパーマネントはというと?
そう、マナコスト0のパーマネント「土地」である。
つまり、このトッゴと木霊を組み合わせると、こんなことが出来るのである。
1.土地を出す
2.トッゴの能力で岩が出てくる
3.木霊の能力が誘発。手札からマナコスト0のパーマネントの土地を出す
4.トッゴの能力で岩が出てくる
5.以下手札の土地が無くなるまで繰り返し
もうお分かりだろう。この二枚を組み合わせることで、大量の岩を盤面に生成することが出来るのだ。
更にこの二枚のカード、「共闘」と呼ばれる能力を持っている。どういう能力かと言うと、「共闘」を持つもの同士を2人一組で統率者として設定してよいという能力である。つまり、この二枚を統率者に指定することで、簡単に岩を大量生成することが出来るのである。
というわけで、今回の方針はこう設定しよう。
「トッゴと木霊のタッグで大量に生み出される岩を持ってして相手を粉砕する」
…実はこの発明、とんでもない兵器なんじゃないか?次の項目で具体的な方針を固めていこう。
4.どうやってデッキを組むか
さて、ここでは上の方針をより深めていこう。
①土地を手札に戻す方法を考える
実は上の方針、よくできているようで致命的な欠陥がある。
どういうことかと言うと、手札に土地がない場合、木霊の能力が誘発しても土地が置けず、岩を生成することが出来なくなってしまうのだ。
というわけでまず考えるべきは「いかにして土地を手札に戻すか」ということだろう。これが出来れば、上で挙げたループがこうなる。
1.土地を出す
2.トッゴの能力で岩が出てくる
3.木霊の能力誘発にスタックして土地を戻す。
4.木霊の能力を解決。手札からマナコスト0のパーマネントの土地を出す
5.トッゴの能力で岩が出てくる
6.あとは気が済むまで繰り返せば、好きなだけ岩が出てくる
土地を手札に返すことで、その気になれば盤面に岩を100個も1000個も積み上げることも可能だろう。このループを実現させるようなカードはないだろうか?
まずわかりやすいのは、土地そのものの能力を使用することだろう。
《ギルド無しの公共地》
土地
ギルド無しの公共地はタップ状態で戦場に出る。
ギルド無しの公共地が戦場に出たとき、あなたがコントロールしている土地1つをオーナーの手札に戻す。
T:◇◇を加える。
《グルールの芝地》
土地
グルールの芝地はタップ状態で戦場に出る。
グルールの芝地が戦場に出たとき、あなたがコントロールしている土地1つをオーナーの手札に戻す。
T:RGを加える。
ご存じ「バウンスランド」と呼ばれる土地である。土地1枚から2マナ出てくる超お得ランドなのだが、代償として、場に出た際に土地を手札に戻さなくてはならない。本体もタップ状態で場に置かれるので、思ったよりも使い勝手に癖がある土地である
が、今回のデッキでは話が別である。この「土地を手札に戻す」能力でこの土地自体を手札に戻すことで、延々と戦場と手札をぐるぐるさせることが出来るのだ。で、ひたすらぐるぐるさせることで岩を大量生成できるというわけである。
他の手段としては、土地を手札に戻す系のクリーチャーなんかはどうだろう。最近のカードだと、こういうクリーチャーが考えられる。
《生ける竜巻》
RRG
クリーチャー ― - エレメンタル
2 / 5
1R, 土地・カード1枚を捨てる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。生ける竜巻はそれに2点のダメージを与える。
G:あなたがコントロールしているタップ状態の土地1つをオーナーの手札に戻す。
やり方は至って簡単。緑マナが出る土地を置き、木霊の能力誘発にスタックして置いた土地をタップ。で、コイツの能力でタップした土地を戻す。そうするだけで岩のバーゲンセールの開幕である。
更に、ちと値段が高いがこういうものはどうだろうか。
《雲石の工芸品》
3
アーティファクト
いずれかのアーティファクトでないパーマネントがあなたのコントロール下で場に出るたび、あなたはそれと共通のパーマネント・タイプを持つあなたがコントロールしている他のパーマネント1つをオーナーの手札に戻してもよい。
要は、土地全部をバウンスランドに出来るようなアーティファクトと考えてもらえればOKだ。これがあれば手元にバウンスランドがなくても無限に岩を生み出せられる。ただ、「他の土地をバウンスする」という挙動になっていることにだけ注意しよう。
②積み上げられた岩の使い道
さて、この手順を踏めば盤面に大量の岩が生成される。当然これを投げつけて遊んでもいいのだが、ゲームを決めるのに60個投げつける必要があるのはちと辛い。どうせならこの岩、もっと別のことに悪用できないだろうか。
岩がアーティファクトであることに注目しよう。例えば、こんなカードが相性がいいように見える。
《無謀な炎織り》
1R
クリーチャー ― - 人間・工匠
1 / 3
アーティファクトが1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、無謀な炎織りは各対戦相手にそれぞれ1点のダメージを与える。
《ギラプールの霊気格子》
2R
エンチャント
あなたがコントロールするアンタップ状態のアーティファクトを2つタップする:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ギラプールの霊気格子はそれに1点のダメージを与える。
これらのカード群、要はアーティファクトを簡単にダメージに変換してくれる能力を持つものである。
前者の《無謀な炎織り》はアーティファクトを場に出すたび誘発するため先に出しておく必要があるが、《ギラプールの霊気格子》の場合は場に残ったアーティファクトを使って対応が可能である。まあ、双方採用していいだろう。
他には、場に出た岩を使ってマナを供給するという方法もある。
《鼓舞する彫像》
3
アーティファクト
あなたが唱えるアーティファクトでない呪文は即席を持つ。(あなたのアーティファクトが、それらの呪文を唱える助けとなる。あなたはあなたのアーティファクトをタップして、1個あたり1の支払いに代えてもよい。)
全ての非アーティファクト呪文が「即席」を持つようになるアーティファクトだ。即席とはどういう能力かと言うと、ザックリといえばアーティファクトのタップを無色マナに充てられる能力である。最近のスタンダードにあった「召集」とほぼ同じものと考えてもらえればOKだ。これを使ってどでかい呪文を唱えてやろうという魂胆である。
なおこれらのカード、奇遇にも発明家たちが多数在籍し、しのぎを削る次元「カラデシュ」のカードである。これらのカードと相性のいいトッゴの発明は、ちゃんとした発明として認識されそうだ。よかったよかった。
なお、カラデシュ以外に目を向けると、こういうカードも考えられる。
《ヘルカイトの暴君》
4RR
クリーチャー ― - ドラゴン
6 / 5
飛行、トランプル
ヘルカイトの暴君がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーがコントロールするすべてのアーティファクトのコントロールを得る。
あなたのアップキープの開始時に、あなたが20個以上のアーティファクトをコントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する。
アップキープ開始時、自分の場にアーティファクトが20枚あれば問答無用で勝利を得られるドラゴンである。多分自分の場には20枚と言わず大量の岩が転がっているので勝利は簡単だろう。
また、相手を殴りつけることでそのプレイヤーのコントロールするアーティファクトを全部強奪できるという能力も持つ。基本的にブロール以上に危険なアーティファクトが多用される統率者戦。この能力は有用だ。
なお、フレーバー的にはドラゴンは宝物をため込む性質があるそうで、それをうまくあらわしたカードがこの《ヘルカイトの暴君》なのだろう。宝物でなく積み上げられた岩を見て満足する暴君はちょっと嫌だがまあ我慢しよう。
また、岩が装備品であることに注目すれば、こういうものも採用できそうだ。
《炎の番人、ヴァルダーク》
2R
伝説のクリーチャー ― - 人間・シャーマン
3 / 2
あなたのターンの戦闘の開始時に、炎の番人、ヴァルダークにつけられているオーラや装備品1つにつき、トランプルと速攻を持つ赤の3/1のエレメンタル・クリーチャー・トークンを1体生成する。次の終了ステップの開始時に、それらのトークンを追放する。
戦闘開始時、コイツに装備されている装備品の数、ならびにオーラの枚数に応じた3/1速攻トランプルを持つエレメンタルを生成できる。もうお分かりだろう。ひたすらこいつに岩を持たせてやり、エレメンタルを大量生成。しかる後にエレメンタルで焼き尽くしてKOという流れである。
ただ、岩を持たせるのに1マナかかるというのがちょっとしたネックである。トッゴと木霊だけでは残念ながらマナの大量生成まではできない。岩が大量に盤面にあるのにどうしようもねえ!というときの手段と考えたほうがよさそうだ。
③岩生成の副産物
さて、岩を有効活用してゲームに勝てることはよくわかったと思う。だが、実はこの岩の生成の裏で、とある副産物が生まれていることにお気づきだろうか。よく見てみよう。土地を無限に戦場に置いていないだろうか。
「土地を戦場に置く」。もうお分かりだろう。最新セット「ゼンティカーの夜明け」でもフィーチャーされた、この能力の出番だ。
「上陸」
今更説明はいらないだろう。土地を置くたび誘発する能力群の総称である。もうお分かりの通り、無限に土地が戦場を出たり入ったりしているので、横に上陸持ちのクリーチャーがいるだけでとんでもない化学反応が起きる。
ざっと思いつくだけでも
無限にトークンがでてきたりだの
マナが無限に出てきたりの
生えてきた草がとんでもないサイズになりの
もう滅茶苦茶である。この辺は自分の好きなカードがあると思うので、是非思い思いのカードを使ってほしい。
個人的におすすめのクリーチャーがコチラ。
《火吐きラガーク》
3R
クリーチャー ― - トカゲ
3 / 4
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、火吐きラガークは各対戦相手にそれぞれ1点のダメージを与える。
「ゼンディカーの夜明け」に収録された、上陸で各対戦相手にダメージを与えられるトカゲである。お世辞にも構築級のカードではなく、リミテですらその存在価値が危ういクリーチャーなのだが、今回のように無限に土地が出入りするデッキならば、相手をワンパンで屠れる猛竜たり得るだろう。普段使わないカードも居場所があるのが統率者ならではの面白さだ。
こんなトカゲよりもっとリッチなカードが使いたいよ!というワガママなアナタ、こういうカードはどうだろうか。
《ヴァラクートの探検》
エンチャント
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。そのカードが追放され続けているかぎり、あなたはそれをプレイしてもよい。
あなたの終了ステップの開始時に、ヴァラクートの探検により追放されているカードがあるなら、それらをオーナーの墓地に置く。その後、ヴァラクートの探検は各対戦相手にそれぞれ、その量に等しい点数のダメージを与える。
こちらは土地を置くたびライブラリーの上を追放し、自分のターン終了時までそれを唱えることが出来るエンチャントである。土地を無限に出入りさせることで任意のカードが引けるまでライブラリーを掘り進められる。
また、自分のターン終了時、追放されたカードは墓地に移される。そしてその際。墓地に移されたカードの枚数分に等しいダメージを各対戦相手に割り振ることが出来るのだ。早い話、ライブラリーが40枚あれば人が死ぬ。
そして、前回のブロール記事で紹介したこいつも出番があるだろう。
《アクームの怒り、モラウグ》
4RR
伝説のクリーチャー ― - ミノタウルス・戦士
6 / 6
あなたがコントロールしている各クリーチャーはそれぞれ、このターンにそれが攻撃した回数1回につき+1/+0の修整を受ける。
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたのメイン・フェイズ中であった場合、このフェイズの後に、追加の戦闘フェイズを1つ加える。その戦闘の開始時に、あなたがコントロールしているクリーチャーをすべてアンタップする。
お前らが!死ぬまで!殴るのを!やめない!(無限に土地をぐるぐるしながら)
殴りつけるたびに打点も上がっていくので、まあすぐに人が死ぬだろう。
5.サンプルデッキ
というわけでこちら、トッゴ氏の発明品である岩を堪能するデッキである。以下のリンクからデッキリストを参考にしていただきたい。
ちなみにこのサイト、この間フォロワーの方から勧めていただいたのだがムチャクチャ見やすい。これを機に是非オススメしたい。
基本はトッゴと木霊で能力自体は完結しているので、あとは何を入れるかという話になるが、今回は筆者が大好きな上陸をしこたま味わう形に調整してみた。土地をたくさん持ってきてあげてマナを増やしてデカブツを叩きつけ、あわよくばトッゴと木霊で勝負を決めに行くという算段である。
また、上陸をメイン戦術にしたもう一つの理由として、コンボパーツであるバウンスランドを持ってこられるカードをすんなり採用できるという理由がある。《輪作》や《約束の刻》、ちと大げさだが《風景の変容》といったカードでバウンスランドをライブラリーから持ち込むことが可能なのだ。
もちろん、トッゴの発明品を堪能することも忘れてはいけない。土地を置けば岩が出てくる都合上、序盤であっても岩はちょろちょろ生成される。というわけで、序盤に余った岩は様々な形で利用させていただこう。例えばこの《交易所》を使って岩を売り飛ばせば、ドローと変換できる。
中でもオススメなのがこの《ゴブリンの技師》。場に出た際にアーティファクトカードをライブラリーから1枚墓地に置くことが出来、更に自身の能力で場のアーティファクトと墓地の3マナ以下のアーティファクトを入れ替えることが出来る。
このエンジニアくんにお願いすれば、《雲石の工芸品》といった必要なものを持ってきつつ、あとは場にある岩を使ってそれを作ってくれるというわけである。正直トッゴより腕がよさそうな気がする。
6.終わりに
いかがだっただろうか。今回は一見パッとしないアーティファクト、「岩」を色んな手段で散々使い倒すデッキを構築してみた。というよりトッゴの能力を使い倒したといった方がいいだろうか。ひょっとしたらトッゴ氏の発明品とは「岩」そのものではなく「岩を生み出すプロセス」そのものだったのかもしれない。
上記のデッキだが、赤緑という押せ押せのカラーリングで、やることもシンプルなデッキである。上のような小難しいコンボを抜きにしても、「デカブツをデカくしてドーン!!!」という動きが出来るのは快感の極みだ。これから統率者を始めたい!という方に勧めたいデッキである。
「これ使いたいけど《雲石の工芸品》とか《俗世の教示者》とか手元にないよ!」という人は、別のカードを使ってあげてもいいだろう。例えば今回は採用しなかったが、この《一族の暴行》なんかもおすすめだ。全アーティファクトとエンチャントを破壊して、各プレイヤーは破壊されたカードの枚数分の3/3ケンタウルスを場に出すカードだが、これを使えば相手の危険な置物に対処しながら、岩から大量のケンタウルスを呼び出して相手を圧殺できる。
100人いれば100通りのデッキが存在する。それが統率者、コマンダーの面白い所である。この記事が、皆様の統率者ワールドを広げるきっかけになれば幸いである。
そういえば、現代において何か新しいものを発見、発明すると「特許」というものが取れるらしい。
筆者のガバガバな知識が正しければ、特許が申請出来れば、自身の発明を使った人からパテント代が各所からガッポガッポ入ってくるようになるそうだ。つまり、この記事を読んだ皆様にこのデッキを作ってもらって遊んでもらうことで、筆者はラクに暮らせるんじゃないだろうか?
そうと決まればさっそく申請したいのだが、その前に、このアイデアがちゃんと新規性があるということを証明する必要がある。ちょっとEDHRECで確認してみよう。どれどれ?「トッゴ」+「木霊」のデッキはどれだけあるのかな?
…新規性はありましたか…?(小声)
よかったらサポートして頂けると幸いです。MTGアリーナの活動などに充てたいと思います。