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未上場と上場企業経理の違い
はじめまして、まっさんです!
UP!経理コミュニティのアドベントカレンダー12/21を担当させて頂きます!
コミュニティの出現頻度は高くないですが、今回のアドベントカレンダーを通じて少しずつ皆さんに知ってもらえたら嬉しいです。
語れるほどの凄いことは何もしてないので、何を書くか迷いましたが、良い機会なのでこれまでの自分のキャリアを振り返りつつ、未上場企業の経理から上場企業の経理への転職体験についてお話ししようと思います。そして、前職はDXがだいぶ遅れている会社で、今はだいぶDXが進んでいるため、その違いで感じたことも触れます。
これまでの簡単な経歴
1社目:金融系グループの未上場企業経理
私は新卒で金融系の大きなグループ会社に就職しました。最初は何も分からない学生でしたが、とりあえず営業は向いていない気がしていたので、マーケティングをやりたいといった記憶があります。結果、マーケティングをやるなら、数字やデータを使いこなすことが大事という理由で、グループ内のシュアードサービスのようなことやっているところで複数子会社のコーポレート業務(主に経理業務)をやることなりました。この期間にて、未上場&中小企業の経理ノウハウを身につけることができました。ここからずっと経理をやっていくとは思いませんでした笑
グループ内の子会社専属経理に
グループ内の子会社でIPOするという話になり、N-3が始まるあたりの事業会社へ主に経理専属担当として従事することになりました。幸いそのような話が来たのと面白そうと思い、決断しました。ここで経理と予実管理、規定整備などを担当し、事業的に特殊なファンドの経理も経験しました。
IPO未遂におわる…
IPO準備を行っている途中(N-2期あたり)にて、大きな問題が発覚し中止になりました。ショートレビューの課題を解決していき、ちょうど上場1の部や内部統制を整えたりして、SOも付与されていました。ちょっとだけIPOドリームを期待していましたが、人生はそんなうまいこといかないことを学びました。。。
2社目:IT系の上場企業の経理に転職
IPO未遂におわり、さらには発覚した問題が大きすぎて、会社自体を売却する動きになっていました。金融庁からの色々な要請に対応するというある意味で貴重な経験もしました。グループの所属ではあったので、そのまま残っても別のグループ内のどこかに行けたと思いましたが、最終的に会社を去る決断をしました。
転職の理由
転職しようと思った理由は主に以下の3点でした。
連結、開示をやってみたい
上場の準備だけで、結局上場企業の経理が出来ておらず、連結や開示とか上場企業ならではの経験をしてみて、経理業務の全てを経験してみたいという思いが生まれていました。また上場準備中に感じていたのは、上場企業のあるべき姿が分からないとイメージつきにくいなと思っていました。そこで、あるべき姿を見てみたいという気持ちもありました。
ITリテラシー高めたい
将来的に経理とITの親和性が高まると感じ、ITリテラシーの高い環境で経理業務に携わりたいと思いました。前職の環境は結構アナログで、グループはだいぶ大きくなっていました。その状態からIT化させていくほうが学びは多そうですが、根付いた組織の思想、文化を変えるレベルと感じ、転職を選択しました。
ヒト、雰囲気
最後はややネガティブ理由ですが、ヒトや雰囲気が良くなかったのでという理由です。単純に怖い人が多かったです笑。今思うと最初に厳しさを教えてもらったことはありがたいですが、ずっとこの環境はきつそうと思いました。
転職してみて
いま上場企業の経理として転職して約2年経ちますが、未上場企業と上場企業の経理で感じた違いを書いていきます。
個人的に感じた上場企業経理の環境
開示業務がある
当たり前ですが、上場企業となると、通常の決算業務に加えて、四半期毎に開示業務があります。また、開示があるので半期に一回はキャッシュフロー計算書を作る必要もあります。それまでは開示業務を経験をしたことがなかったですが、各社の月次決算を締め、連結決算を完成させ、出来上がった数値で開示書類を作成します。未上場だと月初に締めて終わりという感じだったのが、開示するまで忙しくなります。特に期末は特に長期戦になるので、第1四半期との間があまりない感覚です。そして、いま私は単体経理、連結、開示をやってるのですが、ずっと忙しい感じになります笑
内部統制が整ってる
当たり前ですが上場しているので、内部統制が整っています。J-SOXの3点セットの構成である「業務記述書」、「フローチャート」、「リスクコントロールマトリックス(RCM)」が既にあり、内部監査室もあるので、統制の体制がしっかり築かれています。具体的には仕訳は承認が必要で上書き修正は出来ない。科目やアカウント等も勝手に追加は出来ないといった感じです。また、内部監査室から定期的にチェックがはいります。この辺りがたまに面倒に感じることはありますが、不正を防ぐ仕組みとして大事な要素です。未上場だとこの辺り自由に作業出来たりして楽だったりしたなという思いはあります。。。
優秀な人が多い印象
これは上場企業全般にいえるのかは定かではないですが、優秀な人が多い印象です。前職に比べ、幅広い知識を持っていて、複雑な事象もスピーディーにこなしていく印象です。良くも悪くも、全員リスペクトできるメンバーでありつつ、そして自分もついていくのに自己研鑽を重ねていかないとやばいと思える環境です。
分業化されている
現在、ベンチャー気質のある若めの上場企業なので、まだめちゃくちゃ分業はされてはないですが、入ってから徐々に分業化され始めています。支払依頼や経費の確認はBPO部隊に依頼していたり、最近は税務の専門部隊が出来たりしています。これによって支払依頼や経費をじっくり確認することがなくなったのと、税務にもあまり触れることがなくなりました。この点は業務負荷的には良い点ですが、色々スキルを身につけていきたい人にはあまり良くない点かもです。
それ以外に感じたDX化の違い
それ以外におまけで前職はDXが遅れている会社で今はDXがだいぶ進んでいる会社なので、その違いについても触れます。
リモートワークが可能
まず何よりリモートワークができる点は場所や時間にとらわれずに仕事が出来るのが最高でした。前は毎日出勤してましたが、出勤時間がなくなるのはデカいです。
メール文化→チャット文化
メールが主流の会社からチャット中心の会社になりました。最初は慣れませんでしたが、圧倒的に連絡スピードが上がりました。また、一番いいなと思った点は監査法人にもチャットツールに入ってもらっている点です。これが凄くコミュニケーションしやすくて便利です。以前はメールか電話、会議でのやり取りでしたが、チャットで完結出来たりする点がとても効率的です。
Excel文化→スプレッドシート文化
前職はExcelしか使ってなかったですが、スプレッドシートに触れてからもうExcelに戻れなくなりました。自動保存と履歴、共同作業ができる、Queryやimportrange関数が強すぎる等々、まだまだ良い点がいっぱいあります。
紙が圧倒的に減る
紙の印刷、書類管理が圧倒的に減りました。紙を印刷することがほぼなくなり、本当にありがたいです。前職は証憑ファイルの整理や、倉庫に保管するという不毛な作業がありました💧
SQLを使うようになる
テクノロジーで解決する文化が活発の為、全社の会計数値のビッグデータをSQLを使って集計したりするようになりました。まさか経理がコードを書くみたいなことするとは思ってませんでしたが、ITツールをガンガン駆使していくのが未来の経理なのかもしれません。
おわりに
以上長くなりましたが、自分のキャリアの振り返りと転職前後の環境変化についてでした。転職して、当初やりたいと思っていた連結と開示を行えて、ITリテラシーも高めることが出来て良かったとは思ってます。来年もこのまま引き続き、スキルや知見をより一層高めていこうと思っています。
一方、この先どうなっていきたいのかは結構さまよっている気はしています。。。このコミュニティでは色々なバックグラウンドの経理の方の情報を知ることが出来るので、様々な情報を見て考えられたらいいなと思ってます。そして、自分のようにさまよっている人やそれ以外にも経理関連の情報を知りたい人には、良いコミュニティだと思います。と宣伝しておきます!笑
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!
UP!経理のアドベントカレンダーは以下のとおりです。
次の方、よろしくお願い致します。