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ハリアタマテツオ先生
中学の頃に、『ハリアタマテツオ』とあだ名された理科の先生がいた。そのあだ名のとおりいかにも堅そうな髪質で、寝癖でもついているのか髪の毛の一部がいつも針金のごとく立っていた。
ハリ頭ではあるがハゲ頭ではなく、その半分くらいは白髪で占められていた。そのせいでけっこう老けて見えたのだが、おそらくはその容姿よりも年は若かったはずだ。
ぼくはある時期、そのハリアタマ先生のごとくに髪に癖がついてしまい、セットできないことがあった。すでにその時は白髪も多くあった。そう、ハリアタマ先生と同じなのだ。
よく自分でイメージしたものは、現実化すると言われているが、もしかしたら心のどこかで、ぼくはハリアタマ先生のことを意識していたのかもしれない。