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世の中おかしい

 先日、知人からおもしろい話を聞いた。
 その人の近所の家で飼っている犬が、ガンになったという。そこで、そこの奥さんは仕事を辞めて、けっこう長い期間看病したらしい。犬の治療には金がかかるらしく、点滴一回につき数千円から数万円も取られるのだそうだ。それをほとんど毎日やっていたというから驚きだ。

 しかし、その甲斐もなく、その犬は死んでしまったという。人と同じように葬式を上げ、荼毘に付したあと、納骨堂に納めたのだそうだ。その納骨堂には、多くの犬や猫の骨が納められていたらしい。ペットを飼わないぼくとしては、それだけでも驚きだが、さらに驚いたことがある。

知人「それがねえ、そこの納骨堂に納めてあったの、犬とか猫だけじゃなかったらしいんよ」
ぼく「何があったんか?」
知「カメよ、カメ」
ぼ「えーっ、カメー!?」

知「普通、カメなんか納骨堂に納めんやろ?」
ぼ「うん。生ゴミといっしょに捨てるんやないんかねえ。愛情があるなら土に埋めたりするだろうけど・・・」
知「そうやろ」
ぼ「だいたいカメを火葬にするほうがおかしい」

知「ねえ、カメは犬とか猫みたいに、人になつくんかねえ?」
ぼ「なつかんやろう。別に餌くれとか言って鳴くわけでもないし」

 さらに知人は、衝撃の事実を述べた。

知「そうそう、そこにあったのカメだけじゃないんよ」
ぼ「他にもあったと?」
知「うん。スズメ…」
ぼ「えっ・・。スズメちゃ野生やろうもん」
知「いや、飼っとったんかもしれんけど…」
ぼ「それも火葬したと?」
知「そうみたいよ」
ぼ「焼き鳥やないね」
知「そうやろ」
ぼ「今でもスズメのメニューがある焼き鳥屋もあるよ」
知「捕まえて飼っとったんかねえ?」
ぼ「もしかしたら、生まれたばかりのを捕ってきて、育てたんかもしれんね」
知「ああ、そういうこともあるねえ」
ぼ「でも、鳥は土に埋めるやろう。うちも飼っていたセキセイインコが死んだ時、土に埋めて墓石代わりにカマボコ板立てとったよ」
知「そうよねえ、それが普通よねえ」

 世の中、何かおかしい。

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