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商才のない男です。

 友人がこの春、今の仕事を辞めるらしい。辞めて隠居するのかというと、そうではなく、他の仕事を始めるらしいのだ。

 年金をもらっているとはいえ、生活がかかっているだろうに、そう決断できる彼がうらやましい。というか、まだまだヤル気を見せている彼をうらやましく思う。

 とはいうものの、ぼくもやりたいことはある。ところが、いまだ暗中模索状態なのである。それゆえに、友人のような飛躍が出来ないでいるのだ。

 そういえばむかし、ある人が、「おまえ、せっかくホームページをやっているんだから、それで儲けるようなことを考えたらいいじゃないか」と言ってきたことがあった。

 なんでもその人の友人に、ネットでかなり儲けている人がいたらしい。「だから、おまえも…」となったのだが、ホームページで儲けることなんて、そう簡単に出来るものではない。

 実は、ぼくは以前、小遣い稼ぎにとアフリエイトをやったことがある。およそ2年間やったのだが、それでどれだけ稼いだのかというと、43円である。

 最初の頃こそ、最低でも月に1万円くらいに持って行くぞと努力をしていたが、いくらやっても数字は上がってこない。そのうち「ホームページ始めた元々の動機が小遣い稼ぎではなかったんだから」と思うようになり、そういう努力もしなくなった。結果43円である。

「これがだめなら、ほかの方法で…」とならないところが、ぼくの商才のなさというか、甘さなのだと思う。

 そうそう、その商才で思い出したことがある。昔読んだ占いの本に書いてあったのだが、ぼくは商才のある星の生まれらしい。そこには「何でも飯の種に変えてしまう、不思議な才能の持ち主です」と書いてあった。

 今となっては、笑い話である。

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