見出し画像

トルクメニスタンの教育事情・学費が無料で子だくさんでも困らない

トルクメニスタンの家族は子だくさんな家庭が多いです。国が積極的に子供を産むことを勧めているからなのか、理由は分かりませんが、とにかく最低3人くらいは子供がいるイメージです(田舎ならもっと多いと予想されます)。

日本ならば、「学費が大変ねぇ。」という声が聞こえてきそうですが、トルクメニスタンでは小学校から大学まで全ての学費が無料なのです。もちろん教科書も教育機関側から貸し出され、最終的には返却しなければならないとはいえ教材費もかかりません。日本の学校と課目はそんなに変わりませんが、小学校相当の学年から英語、ロシア語、そして特定の学校では中学校相当の学年から中国語または日本語も教えられているため、母語のトルクメン語も含めると3つも4つも外国語の授業を受けているわけです。日本の小学校では英語を増やしただけで大変なことになっていますが、トルクメニスタンではどうなっているのでしょうか。私の印象では、よくできる人はどの言語もよくできて、苦手な人はトルクメン語すらままならないという印象です。若い時から外国語を学ぶことはメリットも多い分、その分他の勉強の授業時間が減っているわけでしょうから、どちらの方がいいとは言えませんが、外国語アレルギーの強い日本人にとっては羨ましい話でもありますね。

学校の教員免許は教師の専門学校に通うか大学を卒業することで取得することが出来ます。大学を卒業すると国の期間でしばらく働く義務がありますので、多くの卒業生はまず公務員や学校で働きます。このとき、その人のПрописка(登録)のある場所で働く必要がありますので、大学で都会に出てきていても、必ず地元に戻って働く必要があります。学生たちは複雑な感情があるようですが、地方都市での知識人(教員)の確保という意味では必要な制度なのかもしれません。

大学生は全員奨学金がもらえて、私が日本語教師として勤務していた頃の給与の3分の2ほどの金額を学生全員がもらっていました。奨学金の支給日周辺になると女子学生がロシアの化粧品カタログを見ながら楽しそうにしていたことを思い出します。こちとらフルタイムで働いていたというのに…(泣)

大学院に入るには大学の教歴が必要ですので、大学を卒業した後、何年か大学で働いてから仕事をしながら大学院に進学するというのが一般的です。高等教育が大学を卒業したばかりの教員にできるのかという問題はありますが、研究者側からすれば食いっぱぐれのない良いシステムだと思います。うらやましい。博士になるには日本よりたくさんの論文を出す必要はありますが…

教育制度は最近変動が多かったので、確かではありませんが、義務教育は小中高を合わせた12年のmekdep(直訳:学校)という中等教育機関に通います。その後、専門学校や5年制の大学(最近は4年制もある)に通いますが、国内の大学は入学希望者に対してそんなに多くありませんので、多くの学生が海外の大学に進学することが多いです。やはりトルクメン人にとって馴染みのあるトルコ、ロシアに進学する人が多いですが、その他にもウクライナ、ベラルーシ等の旧ソ連圏、インドや中国などへの進学も最近増えています(以前はキルギスやウズベキスタンなどの隣国も多かった模様)。日本への留学も関心は高いのですが、語学学校に入学して大学を受験するというシステムなので、確実に進学できるという保証がなく、それならばと中国に流れてしまっているのが現状です。残念です。ただ、外国でもらった卒業証書はトルクメニスタンに帰国した後に承認を受ける必要があるようで、これが結構大変だと聞いています。

私の知るところでまとまりなく書いてしまいました。お許しを。