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【第7回】格(2)【クリミア・タタール語】

※表記上の注意
母音調和や子音同化による音の交替は大文字を用いて表します。
E=e / a、D=d / t

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「ペンで書く」のように手段を表す格を具格、「Aさんと一緒に」のように誰かと一緒に行動を行うことも表す格を共格と言います。クリミア・タタール語では-nenが、具格と共格の機能を担っています。

O, işni qalemnen yaza.「彼は作品(仕事)をペン書きます。」
Ayder kimnen laf ete?「アイデルは誰話しますか。」

beraberlik kelişiの訳としては「共同格、共格」の方が用語としては近いかもしれませんが、他のチュルク諸語では具格と呼ばれることが多いので、ここでは具格としています。母音調和しないなど、通常の各接尾辞とは異なる振舞いをしますので、格接尾辞として扱うべきかより独立した要素と認めるべきかどうかについては今後検討する必要があります。

具格の-nenは古代テュルク語の-nから来ていると考えられているようです。現代トルコ語ではyaz-ın「夏に」kış-ın「冬に」という語にその痕跡が残っています。クリミアタタ―ル語(トルクメン語もそうですが)にはその使い方はなく、同じことを表そうとするとyazda、qıştaのように位格を用いて表すようです。

【会話表現】
Yoq.「いいえ。」
Men qarşım.「私は反対です。」
Men razı degilim.「私は賛成ではありません。」
Bu olacaq şey degil.「これはありえない。」
Yañlış.「間違っている。」
Mümkün degil.「不可能だ。だめだ。」

【学習の感想】
まだ動詞を学習していないので、格の用法などが詳しくわからなくてもどかしいです。さほど他のテュルク語と異なっている印象はないので、すんなり理解できていますが、思い込みは文法の理解の妨げになることがありますので、似ているところは認めつつも、一緒だと簡単に考えて済ませてしまわないようにすることが大事です。