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【第6回】格(1)【クリミア・タタール語】

※表記上の注意
母音調和や子音同化による音の交替は大文字を用いて表します。
E=e / a、I=i / ı、G=g / ğ / k / q

格とは名詞や代名詞等に付加され、それらと他の単語とを結ぶ関係を表すものです。日本語の「てにをは」にあたる機能を持っています。クリミア・タタール語で格はkelişと言います。

今回は主格、属格、対格、与格の曲用の仕方をご紹介します。機能(用法)に関しては、動詞との兼ね合いがあるので、もう少し学習を進めてから考えていきましょう。

06. 格(1)_page-0001 (1)

属格が付いた名詞の被修飾語には3人称の所有人称接尾辞が付きますが、まだ学習していないので、ここでは紹介しません。所有人称接尾辞のところで扱います。
与格には-ğa/-ge/-qa/-keという4パターンがあります。前舌母音eの場合には比較的前の方で発音されるgかk、後舌母音aの場合には比較的後ろの方で発音されるğかqと組み合わされる。ではどのようにgかkか、ğかqを選ぶのかという説明は参考文献で見つけることができませんでした。例を見る限りでは無声子音に付くときにはqかkを、それ以外の時にはğかq付くのだと考えられますが、詳しく調べたわけではありませんので一応?としておきました。無声子音とは声帯の振動を伴わない子音のことですが、具体的にはp, t, ç, k, q, f, s, ş, hを指します。

【会話表現】
Ebet.「はい。」
Men razim.「私は賛成です。」
Men qarşı degilim.「私は反対ではありません。」
Doğru.「正しいです。」
Mıtlaqa.「絶対に。」
Ola bilir.「ありえる。可能性はある。」
Yahşı.「OK、いいね。」

【学習の感想】
今日見た格接尾辞は対格で常にnが現れる点、与格でGが現れる点等、キプチャク的な要素が多い様に見られます。これまでの学習ではよりトルコ語に近いところが多かったので、いよいよという感じがします。ただし、与格は複雑で、一、二人称は単数・複数でgが現れるかどうかが異なるなど、さすがは2つの言語の中間にある言語という感じがします。最終的には文法ごとにどちらの性質により近いかということを見ることが出来たらいいですね。