テュルク語学徒のロシア語
タイトルは広めに取っていますが、内容的には私とロシア語と言った方が良いかもしれません。それを踏まえて読んでくださると助かります。
テュルク語を研究する人にとって、とても大事な外国語の一つがロシア語です。特に、旧ソ連の国々で話されている言葉やロシア国内の共和国で話されているテュルク語を対象とする場合には必須ともいえるでしょう。
私は大学2年の頃にロシア語の授業を受け始めました。ウズベク人の仲の良い友人ができ、中央アジアのテュルク語にも興味を持ち始めていたからです。
副専攻語相当のロシア語ですし、そこまでレベルは高くありませんでした。先生がおじいちゃんおばあちゃんだったので、発音がベタベタな日本語的発音だったのを覚えています。
大学4年の夏休みにウズベキスタンにロシア語を勉強する目的で一か月滞在しました。(旅行で3年の夏にも一か月滞在しています。)語学学校へ行ったりするわけではなく、友人の後輩にアルバイトで毎日稽古をつけてもらう予定だったのですが、ウズベク語の方が楽しくなってしまい、結局はほとんど勉強せずにウズベク語だけ少し上達して帰ってきました。
修士課程の時に国の助成を受けた大学のプログラムで4か月間モスクワに行かせてもらいました。目的はモスクワ大学のアジア・アフリカ諸国大学でトルクメン語の専門家から指導を受けることでしたので、ほぼ毎日トルコ語か英語でやり取りしていましたが、ロシアに住むことで少しは上達したと信じたいです。
その時に住んでいたモスクワ大学の寮です。私は左ウイングに住んでいました。見た目は最高(いや、最強)、中はぼろぼろの寮でした。
その後はトルクメニスタンに行った時もロシア語が母語の学生をアルバイトとして雇い、勉強しようと試みたのですが、なかなかうまくいかず頓挫。ここまで書いてみて思ったのですが、こんなにたくさんチャンスがあったのに今でもロシア語がきちんとできないなんてただの怠け者ですね。
ちなみに私のロシア語のレベルはどれくらいかというと、ご飯の注文とサウナへの入場だけは完璧です(酷過ぎる 笑)。真面目に言うと名詞の複数の格をきちんとおさえられていないのでなんでも単数で言っちゃう感じです。あと、語彙を知りません(非常に偏っています)。
教材もいろんなものを見ました。エクスプレスロシア語(CDエクスプレスじゃないカセットのときのやつ)から始まり、NHKのもの、コロケーションetc...でも最終的に行きついたのはこちらの『現代ロシア語文法』です。私が持っている版から新しくなったようで、手元のものと表紙が違います。
分厚い2巻本なのですが、非常に例や練習問題が多く、参照文法としても使えます。例外も細かく紹介してくれているところもかゆいところに手が届きます。専門の方から見るとどうかわかりませんが、第二外国語として私に一番合ったのはこちらでした。もちろん匹田先生や黒田先生の文法書もいいと思いますが。
チュルク語を含む、ロシア語で書かれた言語学の文献を読むのに役立つのは、なんといっても和久利先生の『テーブル式ロシヤ語便覧』です。それぞれの文法用語がすべてロシア語の用語とセットで表記してあり、アクセントまで示してある超優れもの。科学アカデミーのロシア語文法をメインに参照されて書かれているようです。学習書ではないので練習問題などはないですが、参照文法として常に隣に置いておきたい存在でもあります。
少し古い(1959年初版)のでなかなか手に入らず、高額になっていることが多いです。ロシア語でテュルク語文献やロシア国内で話されている言語の文献を読む予定がある人は見つけたらすぐに購入されることをお勧めします。
ロシア語もきちんとできるようになりたい言語です(昨日も同じようなことを言ったな)。