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中央アジア日本語弁論大会(2013)の思い出

皆さんは中央アジア日本語弁論大会という大会が行われているのを御存じでしょうか。中央アジアで日本語を勉強している学生たちが一同に会して日頃の日本語力を披露しあう、中央アジア地域の国際大会なのです。中央アジアの日本語を学ぶ学生たちが集まるわけですから、中央アジア好きとしてはなかなか萌えるイベントでもあります。

そんな中央アジア日本語弁論大会ですが、ずっと中央アジア5か国が参加できていたわけではありません。実はトルクメニスタンが初めて参加できたのは私が日本語教師として勤めた2013年大会からなのです。

詳しいことは書けませんが、その時の臨時代理大使(日本とトルクメニスタンのために尽力され、現地の日本語学習者のためにも協力を惜しまない素晴らしいお方でした)や広報文化の担当者の方のご協力もあり、トルクメン人日本語学習者の悲願であった中央アジア日本語弁論大会への参加が叶いました。そしてようやく中央アジア5か国の参加者が全員集う中央アジア日本語弁論大会が初めて実現したのです。

私も引率者兼審査員としてカザフスタンで行われた大会に学生2名を連れて参加したのでした。もともとの民族の性格の差か日本語教育の習慣の差かはわかりませんが、中央アジア5か国の参加者のカラーが出ていてスピーチを聞くだけでも面白かったです。

カザフスタンの学生たちは文章の作りや内容のレベルが高い印象でした。ウズベキスタンの学生たちは表現力豊かな発表方法で聞く人を魅了していました。キルギスはテキストと発表方法のバランスがよかったです。タジキスタンは日本人講師がいないこともあってか、十分な状態ではありませんでしたが、検討していました。(2013年大会の個人の感想です。)
私が指導したトルクメン人はというと、文章を暗記するのがすごく得意でした。短期間できちんと覚えてきて、堂々と話すことができるのです。私自身は暗記が苦手なのでいつも感心していました。

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日本語教師として学生の作文をどこまで添削するかという部分は随分悩みました。学生が持ってきた日本語を完全に日本人が書いたように修正すべきなのか、それとも意味が通じるくらいまでしか手を入れず、書いた本人の実力が反映される程度までしか修正しないのかという問題です。大会では教師の指導に関する規定はなく、個人の采配に任されていました。結果どうしたかというと、できるだけ本人の書いた原稿のカラーは残しつつ、しっかり修正することを選びました。弁論大会のために覚えた文章はその学生の中で一生残るといっても過言ではありませんし、より正しい、日本語らしいテキストを暗記してほしいと思ったからです。その代わりただ添削して修正させるだけではなく、きちんとその修正の理由も丁寧に説明しました。

話を弁論大会に戻しますが、そのとき初出場だったトルクメン人の学生の一人が5位を獲得し、3位入賞には惜しくも至りませんでしたが、トルクメニスタンが大会に大きなインパクトを残したに違いありません。

大会後には懇親会で各国の学生や先生方と交流したり、翌日はトルクメニスタンの日本語教育事情をお話しさせて頂いたりと有意義なプログラムでした。

アルマトゥではカザフ語よりロシア語のイメージがあったので、頑張ってロシア語で道を尋ねたらなぜかカザフ語で返事をされたのもいい思い出です。やはりそこでも私は田舎者のカザフ人に見えたのでしょうか。

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(アルマトィの名前の語源ともなっているリンゴの噴水)