次、会うときは戦いだ -色節-

友人から撮影依頼。
成人式？
誰が？
娘？


小さかったあの子が？
成人式だと？


なんてことだ。
僕もあの子も年をとったのだ。
なのに、あの子はまだハタチだ。
不公平な話だ。


福岡。
川端通。
賑やかな商人街に行ってきた。
彼女は赤い振袖姿で待っていた。
きらきら輝くのが当然のような顔をして。

年を重ねれば分かる。若者の取り柄は若いことくらいだ。大人の僕には取り柄が二ケタはある。若干多く見積もった気はするけど、多分、ある。


しかしその二ケタの取り柄は「若いこと」只一つに一蹴されてしまう。若さとは唯一にして最強の翼だ。どこへでも飛べる気になる。そしてときどき本当に飛べる。

僕からの餞別は特に無い。代わりに今の君を最高の写真で残す。若さには敵わぬまでも、捨てたものでも無い僕の取り柄だ。思い知れ。

年をとった僕は、それでもなお、高く飛ぶことを諦めていない。今日から君もライバルと見なす。

おめでとう。
さあ、かかってこい。
飛んでこい。