ふと外を見ると窓の向こうでユウコさんが 【単色日誌 250123】
ふと外を見ると窓の向こうでユウコさんが手を振っていたので仕事放り出して飛び出してしばらく立ち話をした。ユウコさんは、このブログにもちょいちょい登場していた「いつものヘアメイクチーム」の一員で、このチームはみんな可愛くて大好きなのだが、久々に会ったユウコさんも相変わらず可愛かったので可愛いって良いなあと思った(低知能文章)。
ユウコさんと別れて現場に戻ると、スタッフが、今のどなたですかと尋ねてきた。「以前同じチームで働いてたヘアメイクさんだよ。可愛いんだよ」と答えると彼女も「確かに可愛かったですね」と頷いた。スタッフと二人「可愛いっていいよね」「いいですよね」と結構な真顔で意識の共有を図った。
今日は、ディレクションやコーディネート、ヘアメイク等、撮影以外の全てを専門学校の学生が執り行う少しイレギュラーな現場だった。オールアップ後、わらわらと挨拶に来てくれた学生達みんな十九ハタチである。きびきびキャッキャと動く学生達を見ながら、スタッフと二人「若いっていいよね」「いいですよね」と結構な真顔で意識の共有を図ってるうちに仕事が終わった。
帰宅して妻と少し話をした。芸能人やテレビ局の不祥事ってさ、同じようなことが過去にもたくさんあったんだろうけど今は昔ほど有耶無耶には出来ないんだろうね。悪いことがちゃんと露呈する社会は良いよね、と妻が言う。悪いことして表沙汰にならずふんぞり返ってるような連中はね、どんどん吊るしあげりゃいいんだよと僕は言う。他人事なので無責任にそんなことを言う。自分事だったらどんなもんだろうか。僕が吊るし上げられる可能性ってあるのかなと妻に聞く。さあどうだろうね、仕事中のあなたがどんな人か知らないからと妻が答える。
自分では思い当たらないんだけど、15年位前、一緒によく仕事してた武蔵丸君への態度は今ではギリギリなのかなぁ、「バカだねぇおまえは」とかしょっちゅう言ってたもんな。パワハラ?モラハラなのかな、僕の方が年長だったし。セクハラは無いよ、無い、無い……あーでも後輩の女性カメラマンに「彼氏が出来ない?そりゃそうだろうよ」「きみ、〇〇に似てるねえ」とか言ったことは何度もあるな、うん、ある。「今なら絶対そんなこと言わないでしょ?」と妻が問う。絶対言わないねと答える。なら今のあなたはそれをハラスメントだと認識してるんだよ、と妻が言う。それは本当にそう。
その種の敬意に欠けた否定が NG なのは当然として、肯定も状況によってはハラスメントだとどこかで読んだ。ユウコさんのことを可愛い可愛いと愛でたのも、学生達を若い若いと称えたのも、誰かにとってはハラに成りえるのだろう。面食いとルッキズムはイコールでは無いが、度を超えた面食いはルッキズムに繋がるらしい。理屈では分かる。
理屈では分かるのだけれど、その晩 TVerで『御上先生』第一話を見て「松坂桃李と岡田将生の2ショ!!」とキャーキャー騒いでいた僕の心根が変わるとも思えない。已んぬる哉、である。
おやつに焼きいもを食べた。
触って皮をむいて口に運んでようやく好物だったと思い出すが、目の前に無いときはその存在を忘れていて、好物は?と問われても候補に挙がることは無い。僕にとって焼きいもとはそういう対象である。痩せた芋だったが丁度よい甘さだった。