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3180円のインテリジェント爪楊枝入れを買った

https://tenro-in.com/mediagp/294546/

爪楊枝を買ったときに入っているプラスチック製の容器。
半年に1~2回は倒して中身の爪楊枝をぶちまけてしまうのは私だけだろうか。

歯列矯正を始めてから、食後にこれでもかというくらい歯間や矯正器具との間に食べ物が挟まるようになった。そのため、食後に爪楊枝を使うのが習慣になった。常に爪楊枝を使うからこそ爪楊枝入れの蓋は常に開けている状態であり、爪楊枝をぶちまけた際のイライラが積もるようになった。

いきなり3180円もする爪楊枝入れが欲しくなったわけではない。

まずは100均や300円くらいで売っている爪楊枝入れの購入を検討していた。
だがしかし、安い爪楊枝入れはだいたい蓋付きのものである。めんどくさがり屋の私のことだ。毎日毎食後に使うため、どうしても蓋が開けっ放しになることは予想できるだろう。そうなると爪楊枝をぶちまけてしまう問題は解決されない。

そんなときにAmazonで手ごろな爪楊枝入れを見つけた。
写真と説明文を見たところ、ボタンを押すことで爪楊枝が1本だけピュッと飛び出すようなシステムの爪楊枝入れだった。値段は668円。悪くない。すぐに購入した。

しかし、発送予定日が過ぎてもなかなか商品が発送されなかった。
2~3週間たっても商品が発送されずにいたため、問合せしたところ
「もうちょっと待って」
というような主旨のメールが来た。そして1か月ほど待ってようやく商品が届いた。はるばる台北から。
台北から来たという時点で少し不安だったが、これで爪楊枝ぶちまけ案件から解放される……! といそいそと届いた爪楊枝入れに爪楊枝を詰め替えた。
そして爪楊枝入れのボタンを押したところ……、全く爪楊枝が出てこなかった。
ボタンを押すと爪楊枝のほんの先っぽだけが1mmほどちょんと出てくる。出てくる部分が短すぎて、爪楊枝をつまんで取り出すこともできない。ちなみに商品説明には2cmほど爪楊枝が出てくるような写真がある。しかしどう頑張っても1mmほどしか爪楊枝が出てこない。
1か月待ち望んだ結果がこれか……と世の中の厳しさに絶望した。

台北から届いた商品だったから、もしかしたら台北の爪楊枝のサイズと日本の爪楊枝のサイズが違ったのかもしれない。購入前に確認しなかった自分が悪かったのだ。そう思って返品や返金の手続きはしないことにした。
爪楊枝の出てこない爪楊枝入れを机の上に置いていても無駄だ。
それに見るたびに私の無駄になった668円と待ち望んだ1か月の月日を思い出してしまうため、はるばる台北から届いた爪楊枝入れは3日ほどで申し訳ないがゴミ箱へサヨナラすることにした。

そんな悲しい出来事があったのが2年前。
それからずっと、爪楊枝入れ欲しいな~と心の奥で思っていたものの、また爪楊枝の出てこないものを購入するかもしれないという恐怖におびえていた。

そんな中、3180円もするインテリジェント爪楊枝入れを見つけた。
何がインテリジェントなのか。
この爪楊枝入れはスマホの顔認証のようだった。
最近のスマホの顔認証技術はすごい。マスクをしていても、眼鏡をしていても顔をかざすだけで自動でスマホのロックが解除される。しかもその認証の速度が格段に速くなっていると感じるのは私だけだろうか。顔をかざすだけで、スッと一瞬でスマホのロックが解除される。
この爪楊枝ケースは、手をかざすだけでスッと一瞬で爪楊枝が1本だけ出てくるのだ。センサーに手をかざすだけで一瞬で爪楊枝が取り出せる。
しかも、ケースの内部に爪楊枝が収納されているため、外観からはとても爪楊枝入れと思えないスタイリッシュなデザイン。たとえ倒したところで爪楊枝がぶちまけられることはないだろう。

3180円という値段は決して安くない。
たかが爪楊枝入れにそんな高いお金出せるか! という人もいるだろう。
だが私にとってはきちんと爪楊枝が出てくるというだけで大満足の買い物だった。
もし1年に1回以上爪楊枝をぶちまける人にはぜひおすすめしたい。

668円の爪楊枝入れを買った後、爪楊枝の先端だけしか出てこない悲しき爪楊枝入れを購入する人が出てこないようにAmazonレビューを書いた。普段はほとんどAmazonレビューなんて書かないが、その商品には1件のレビューもなかったことから、これは書かねばならないという使命感があった。

「☆1 はるばる台北から1か月かかって届きましたが、爪楊枝(長さ60mm)は出てきませんでした」
これは2年前、私が668円の爪楊枝入れに書いたAmazonレビューだ。

今日見たら、その爪楊枝入れに☆1のレビューが14件ついていた。口をそろえて「爪楊枝が出てきません」と書いてある。
なぜ買った!? もしかしたら一般的に売っていないような長さの爪楊枝を使用する人であれば使用できるのかも、と思いわざわざ爪楊枝の長さを計測してレビューに書いたのに。

文章量が少なくて説得力が足りなかったのだろうか。ライティング・ゼミを受講した後だったら、2000文字の熱量のあるレビューが書けたかもしれない。悔しい。


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