【2024】 デザイナーチームで年賀状グラフィックを作った話
こんにちは、MASKMAN デザイナーの菅野です。
今回は、弊社デザイナーチームで制作した年賀状グラフィックについてnoteを書くことになりました🎍🧧✨
去年まで紙で年賀状をお送りしていましたが、今年はデジタル上で年賀のご挨拶をすることになりました。そのグラフィックを制作した過程をご紹介したいと思います。
01. 概要
まず、今回制作したグラフィックの一覧はこちらです。
「Designer′s Graphic New Year Cards」と題して、弊社デザイナー3名がそれぞれ「お正月×マスクマン」をテーマにそれぞれ3枚のグラフィックを制作しました。
各SNS、メールによって少し載せ方も変えており、
❶ Xでは全てをランダムに繋げたGIFを
❷ instagramでは一枚一枚の説明を
❸ facebook & メールでは数枚抜粋し「続きはSNSで!」方式にしたGIFを
それぞれ掲載しました。
各媒体に載せたものの詳細は、最後にご紹介いたします🥳
02. コンセプト
まず、どういうグラフィックにするか?画像形式は?見せ方は?などをデザイナーチームで話し合いました。
まず最初に決まったのが「GIFにしよう!」ということ。
ただ止まった1枚絵を3人で作るより、普段動きのあるWebを制作しているからこそ、なにか動きがあって、見てくれている人がアクションを起こしてくれるようなものを作りたいと思いました。
初期案としてあったのは3パターン。
スロットや福笑いなど、ゲーム性の高いものも案としてあったのですが、これだとグラフィックとして魅せられる範囲が少なくなってしまうことから、複数のグラフィックをガチャのように繋げ、「年賀状グラフィックガチャ」として制作することにしました!
自由に制作する上で、一つのグラフィックとしてまとめた時にバラバラに見える懸念があったため、ある程度の制約も設定しておきました。
大まかな概要が決まったところで、次にビジュアルを考えるため、「お正月」を象徴するキーワードをみんなで洗い出してみました。
グラフィックに使用するモチーフは全員バラバラになるように、一度各自でラフを作成してみた後、担当するモチーフを決めていきました。
弊社デザイナーチームの3人はそれぞれ好みがバラバラで、得意とするテイストも三者三様なので、特に被ることもなくスムーズに決まりました。😂
「マスクマン」というワードに関しては、最初に覆面や仮面が思い浮かぶと思いますが、MASKMANというこの会社自体でもあり、黒子的なものでもあり、抽象化すると匿名性、的なものにもなったり….
と、さまざまな解釈があるので、あえてそこは決め切らず、それぞれ制作する中で自由に捉えてみようとなりました。
ここで決まった各自のテーマはこちら。
これらをモチーフとして、「マスクマン」と掛け合わせた時、果たしてどのようなグラフィックになったのでしょうか?
03. それぞれのグラフィック
それではここから、デザイナー3名が作ったグラフィックをそれぞれ紹介していきます。各グラフィックの説明は担当デザイナーに書いていただきました!
De. 菊池薫
トップバッターは菊池の3枚です🥳
「MASKMAN×〇〇」を作成するとなったとき、個人的にはやっぱりマスクや顔を思わせるグラフィックが作りたいと思ったので、色々出てきたお正月のキーワードから顔に落とし込めそうなものを選抜しました。
1枚目は、お正月に飲む縁起のいいおさけ、お屠蘇をモチーフにしました。
お屠蘇の液面を揺らして、マスクマンを浮かび上がらせることで顔を作っています。マスクマン側の液体が、悪側の液体を払っている風に見えるように液面の動きや色味をつけていきました。
初期は横顔で制作してみた、もののあまり華が無く。。マスクマンロゴのお力をお借りしました。招き入れられている「良いもの」がマスクマンになるように、綺麗な色をつけてみたり、お屠蘇に見える透明度を探ったり、どのくらいの歪みがいいか調整したり、と小さな試行錯誤を繰り返して完成しています。
邪気を祓い(屠る)、魂を甦らせる。お屠蘇は、悪を屠って良いものを招き入れるために飲むという由来があるそうです。マスクマンと関わった方々が良い方へ導かれますように。そんな思いも込めています。
2枚目は、新年のデパートやお正月のセールの楽しげな雰囲気をモチーフに、
福袋マスクを被ったキャラクター HAPPY BAG MANを制作しました。
せっかくなので家族に紙袋かぶってもらって撮影。ご協力ありがとう。
ここから作りたいイメージへとデフォルメしていき、キャラクターを描いて、色鉛筆で塗り塗りしました。最後はフォトショップで華やかに装飾して完成。
キャラクターの手はこっそり2024の2と4のポーズをしています。
アタリの福袋を引き当てたときのように、予想外の嬉しいアレコレに出会える大当たりの1年になりますように!
3枚目は、ストレートに今年の干支をモチーフに選びました。
これも顔が主役になるように、辰と去年の干支のうさぎを組み合わせてマスクを制作しました。
うさぎは実物がみれるけど、辰は空想上の生物で正解がよくわからない。
なので、鎌倉 建長寺や嵐山 天龍寺の雲龍図を参考に、辰を思わせるのに必要な要素は何か探りつつ描き起こしました。
龍は天に昇って勢いのある生物のように感じたので、サイケな感じで「楽しく勢いよく」をイメージしてイラレで着色していたものの、強くなりすぎて目が疲れてしまうのでここも手書きで制作。水彩絵の具を使って着色しました。龍の挑戦的な表情やうさぎとの対比がわかりやすく、顔に目がいくようになったはず!
卯年につけた力で助走をしっかりつけて、龍が天に昇っていくように、運気も景気も、やる気もテンションも、上向き上り調子の1年になりますように!
De. 向田祐平
次は唯一のメンズデザイナー、向田です👦🏻
1つ目のグラフィックは、「もしもデザイナーたちが福笑いをしたら…」というアイデアで、「福笑い」をテーマに作成しました。
アイデアの出発点は「マスク=面」、お正月に遊ぶお面として「福笑い」でユーモラスなものが作れそう、という考えからでした。
福笑いの顔である「ひょっとこ」や「おかめ」をモチーフとしつつ、そこにプラスしたアイデアとして「へのへのもへじ」「顔文字」「アスキーアート」をヒントに、「文字を使った福笑い」にすると面白いんじゃないか!というアイデアに辿り着きました。
「文字を使った福笑い。」というところから、さらに想像を膨らます。
現代のWebデザイナーたちが文字で福笑いをするなら、目隠ししながらオンライン(Figma)でガヤガヤとやってるに違いない!
ワイワイ賑やかなコミュニケーションの様子として、スタンプやオブジェクトをあしらったり「ひょっとこ」に見える形状を模索して、書体と文字を試していきました。書体と文字を変えるだけで、まさに百面相のように無限に顔面のバリエーションが展開できます。「目、口の形に使えそうな文字なんだろう…3?O?q?」 「鼻にこの文字を使うの、中々センスあるんでは?」
普段と違う視点で文字や書体を探すことで、文字が不思議な見え方になっていきます。
さて、ここで問題です。
このグラフィックの中には全部で5つ、お正月orMASKMANにまつわるワードを忍び込ませたのですが、みなさんは全て見つけることができたでしょうか?
ここで正解を発表したいと思います。
デザイナー3人の名前が、初夢で見ると縁起の良いものになっている。「Fuji(富士)」 「Taka(鷹)」「Nasu(茄子)」
23×88を計算すると「2024」になる。
A1明朝の3文字を繋げると「おもち」になる。
隷書体の3文字を組み合わせると「賀正」になる。
4つの角の文字を組み合わせると 「中W(西) K5」= 弊社代表の名前「中西圭吾」となる。
全部見つけられたかな?
2つ目は、illustratorの3Dグラフィックの機能を使った「鏡餅」です。
初期の構想では生成AIを使ったイラストを模索していました。
DALL-Eを使用して、「鏡割りをする覆面レスラー」のイメージを伝え、チューニングしながら出力してもらった結果がこちらです。
これはこれで、インパクトの強いイメージが出てきました!
「鏡割りをする覆面レスラー」という複雑な状況のお題に関わらず、かなり精度の高いものが挙がってきました。日本の風習である鏡餅を、大した説明もなく出力できることに驚きです。。
しかし、いかにもAIが生成した画像感、が拭えなかったため、こちらは一旦お蔵入りに。。今度は、illustratorの3Dグラフィックの機能を使用してみます。 以前から時々、触って遊んでいたのですが、比較的簡単にアイソメトリックな3Dのイラストが作成でき、面白いなあと思っていました。
鏡餅をゴングに見立て、リング上での鏡開きをイメージ。鐘の音とともに2024年の熱戦がスタート。餅のような粘り勝ちを目指します!
3つ目のグラフィックは「獅子舞」。
MASKMANという名前には、 「クライアントを影から支える、黒子のような存在になりたい」 という想いが込められているそう。
獅子舞の、黒子が入って舞を踊る様子に近いものを感じました。
以下のイメージを目指しました。
・口がガパっと開いている
・キャラクター感
・ちょっとアホそう
・ブサカワ
調べていく中で、数人〜10人ほどで、1匹の獅子を演じる獅子舞は「むかで獅子」ということを知りました。現在のMASKMANのメンバー数である9人分の足を生やした「むかで獅子」を作成しました。
今年もチームとして力を合わせて、制作に向かっていきます。
De. 菅野友香
最後は私、菅野が作った3枚です。
1枚目は、芸能人の結婚や駅伝など、何かとビッグニュースが掲載される「お正月のスポーツ新聞」をテーマに。MASKMANというお題は、そのままストレートに会社としてのMASKMANとして捉えています。
年賀状のデジタル化に伴い、今年はこれが年賀状であるということをわかりやすく伝えたかったので、「MASKMANから年賀状が来た!」ということを大見出しに、そして去年行ったオフィスの引越しというニュースを中見出しにして新聞に見立ててみました🗞️
テーマの理由として、新聞のカラフルな配色がお正月の高揚した華やかな雰囲気にも合いそうだったこと、仮面や覆面など何かしら絵を作るものが多く上がってくるだろうと思っていたので、文字だけで組んでいるものも一枚欲しかったこと、
そしてスポーツ新聞という、デザイン的には”イケてない"と思うものを、グラフィックと掛け合わせて面白くできないかという試みをしてみたかったので、選んでみました。
文字要素が多いので、文字組みのバランスの調整が難しかったです。何度もグリッドを引き直して微調整を繰り返しました。並べてみると調整後の方が綺麗になってるはず…多分….
2枚目のテーマは「紅白饅頭」です。
MASKMANというテーマについて考えていたら、「ますくまん…まん….ますく”饅”…!!!」と気づいてしまい、紅白饅頭と掛け合わせ、仮面をつけたお饅頭を作ってみました。ダジャレ的になってしまいましたが、響きが可愛いのでよし🍡
箸で仮面の子をつまんでいるのは、いろんなお饅頭がある中で、仮面をつけた子はちょっと個性的だけど、そんな「ますく饅」を選んでほしいな=いろんな制作会社があるけれど、よかったら今年もMASKMANを選んでほしいな、という意味も込めています。
blenderを使用したグラフィックは初めて制作したのですが、個人的に難しすぎて大苦戦しました。どのくらい苦戦したかというと、まんじゅう1つ作るのに1日かかりました。(かかりすぎ)
でも結構可愛いのができたんじゃないかなと思います。狐の仮面のおでこにはしれっと弊社のシンボルマークと同じMが入っているのが地味にポイント。
3枚目のテーマは「雅楽」です。
仮面ってどんなものがあるだろう、と考えていた時、雅楽で用いる「雑面」を思いつきました。雅楽は祝い事や儀礼などで演奏される日本の古典音楽の一つで、新年を祝い、平穏な一年を祈るために、グラフィックテーマとしました。
個人的に意識したのは、まずレイヤーを3つ重ねること。
雅楽は三重奏なので、その複雑性を表現するために、
・顔に乗せた「雑面」
・マスクマンという社名の意味合いの一つでもある「黒子」
・お正月によく耳にする雅楽曲「越殿楽」の譜面
と3つのレイヤーを重ねつつ、今回は奥行きを出すよりも平面な印象にしたかったので、レイヤーの前後関係がわからないように焼き込みをしました。
そしてずっとトライしてみたかった、アナログ表現にトライ。
譜面を書き初めのように筆で書いてスキャンしてみたり、インクとアルコールを用いて偶発的に着物のような模様を作り、切り取ってみるなど、アナログな表現をデジタル上に取り込むトライアルをしてみました。
アルコールインクも手書きの譜面も、なかなかうまくいかず、何枚も書いて試して、最終的に納得のいくクオリティのものをつぎはぎしています。
ちなみにこれら3枚以外にも、ラフ案の段階でボツにしたものがいくつか残っていたので最後に載せて供養しておきます。南無🖐️
04. 完成
そんなこんなで、3名のグラフィックが出揃い、今年の年賀状が完成しました🎉
またいつもお世話になっているクライアントやパートナーの皆様には、メールでのご挨拶もお送りしました。
Xに投稿したGIFはスピードを早めて、タップやスクショで思わず何度も止めてみたくなるような仕掛けに。フレームに担当デザイナーの名前やテーマが書かれています。
一方メールでは容量的な制約もあったため、3枚を抜粋し、Xやinstagramもチェックしてもらえるように導線を引きました。こちらはグラフィックを邪魔しないようシンプルめなデザインですが、デザイナーのグラフィックということで、さりげなくバウンディングボックスをモチーフとして使っています👩💻
今回、各自自由に制作したグラフィックは、手法もコンセプトもバラバラで、それぞれの個性が見て取れるものになりました。
たった一度の投稿、一枚の画像ですが、これを見た人が「こんなデザイナーがいるんだな」「個性豊かだな〜」「おもしろいものつくるな〜」などなど、新年に少しでもポジティブなエネルギーを感じていただけましたら幸いです。
改めまして、今年もMASKMANをよろしくお願いいたします!
それでは、次回の更新もお楽しみに〜👋