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空想植物図鑑 106

◯あいさつ

 みなさん、おはようございます。
 ちゃーりー(標準体型)です。
 先日、かぼちゃを購入しました。スープにしてから気づいたのですが、10月といえば収穫祭の季節。
 ちょっと工夫して、ジャックオーランタンにしてから食べれば良かった。と、黄色いスープをかき混ぜています。

 それでは、今回の空想植物となります。


 薄い雲間に咲く空中植物の1つ。
 花弁は淡い赤紫色で、個体によってめしべと思われる部位が1〜3に分かれている。
 種子には飛散翼があるようだが、いかんせん、空中植物の地上栽培は不可能であり、偶然手に入ったこれらの種子も、研究者が栽培を試みるとたちまち溶けて無くなってしまった(地中のバクテリアが分解してしまう説が有力だが、よくわかっていない)。
 そのため、これが種子であるとは言い切れないのである。

 奇妙だが、花同士がくっついて1つの花を構成することもあり、これらの花を見つけた2人は相思相愛や恋愛成就など、願いが叶うとされている。

 地域によって呼び方は様々だが、北西部の小さな村ではこの植物を「愛している」と呼ぶ。
 空にこの花が咲く季節になると、各所で「空をご覧よ。愛しているぞ」「愛している。気をつけて行っておいで」「今日も素敵な1日だね。愛している君に会えた」「お買い上げありがとう。愛しているよ」など、日常的な挨拶が変わるようだ。
 なぜこのように奇妙な習慣があるのか尋ねたところ、彼らは何も不思議なことはない。と、断ってから言った。

「私たちは普段から隣人を愛している。だけど、改めて言葉にする機会はそう多くない。【愛している】が空に咲く間、私たちは日頃から思う気持ちを、空の花にあやかって伝えているだけなのだから」


◯おわりに

 
 空想植物図鑑シリーズの楽しみ方については、7月6日の「空想植物図鑑」記事の中で紹介しております。
 以下のURLから過去の記事が閲覧できます。
(8月24日 一部修正 追記)

https://note.com/maskedno7/n/na05146844f41

 みなさんがほんのちょっぴりと空想を楽しむ時間を提供できたら、これ以上の喜びはありません。

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