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空想植物図鑑 116

◯あいさつ

 みなさん、おはようございます。
 ちゃーりー(標準体型)です。
 今日も空想を楽しんでおります。

 それでは、今回の空想植物となります。


「言いようのない悲しみが募り、誰かの手を借りずこの命を絶ちたいと願った時。私はたくましい木の枝に縄をかけた。しかし、私が縄に首をかけて飛び降りた瞬間、何者かが縄を断ち切り、私を生かしてしまった。見上げると、そこには青々とした羽を広げる精霊がおり、おかしそうに笑っていた」

 先に挙げた1節は、大陸南部地域の著名な作家が遺した手記に描かれている。
 この作家は生涯を通じて約2000有余の物語を描いたが、亡くなるまで、誰も評価していなかった。

 この植物はツル植物の1つである。大樹の枝に這うように根を伸ばし、ツルは巻きつくというよりも、貼り付いて成育する。
 年月が経つにつれて、ツルは硬くなり、木と同じ様になる。その際、根も同様に硬くなる為、木の枝には鋭い凹凸が作られる。
 ヤスリの様に鋭い根は、人間の皮膚を簡単に切断してしまう。

 古代文明跡からは、この植物が貼りついた木の枝を加工して作った兵器(薙刀、捕縛罠、手槍などと思われる武器)がいくつも発掘されている。


◯おわりに

 
 空想植物図鑑シリーズの楽しみ方については、7月6日の「空想植物図鑑」記事の中で紹介しております。
 以下のURLから過去の記事が閲覧できます。
(8月24日 一部修正 追記)

https://note.com/maskedno7/n/na05146844f41

 みなさんがほんのちょっぴりと空想を楽しむ時間を提供できたら、これ以上の喜びはありません。

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