旅人が必ず遭遇する「物乞い」への対処法
アメリカにはとても良い側面もありますが、悪い側面もありました。
アメリカと言うよりは、フィリピン、メキシコなどキリスト教国全般の物乞いに共通する話しなのですが、
お店の前で買い物客を狙って待ち構えている物乞いが
「神が見ているからあなたが私を助けるのは当然だ」と申すわけです。
「私が、困っているので助けて下さい」
と言われたら考えますが、都合の良い“神”を語るエセキリスト教徒が多いのが、なんとも気持ち悪いと思いませんか。
神の威を借る狐。
人にお願いする時は自分の言葉で語るべきでしょう。
私は度々、この宗教を語る物乞い遭遇し、日本人にいては絶対に味合わないような気持ち悪い感覚に襲われました。
◆物乞いにせびられたらどう対処するか
海外を旅していると、必ず物乞いにお金をたかられることがあるでしょう。
あなたが一般的な日本人なら、同情する気持ちも、振り切れない状況も必ず味わうと思います。
宗教を語る物乞い以外に、手足の無いような障害者による物乞いも多く、あなたが僻地へ海外旅行に行くとまず驚くのがそこでしょう。
社会福祉が充実していない国がまだまだ存在することは、世界全体で根深い問題です。
しかし、結論から言うと、基本的に物乞いに施しを与えるのは良くないこととされています。
・理由1
多くの都市で物乞いは、障害者や子供を利用した観光客からの集金ビジネスで、反社会組織の資金源になっている場合が多いそうです。
お金というのは何処でどう使われるか分からず、貴方の善意が、組織的な売春や麻薬拡散を補助している悪意に利用されている可能性があります。
悪意は善意に付け込むため、善意が良い結果をもたらすにはよく考えることが必要です。
ノブリスオブリージュ。お金を払う前に、そのお金が何に使われているのかを考えるべきです。力の行使には結果が、責任が伴うことをよく考えて下さい。
・理由2
また、観光客が物乞いに物を与え、物乞いが物乞いだけで十分に生活できるのであれば、いつまでも行政が動くことはありません。
人が困り、社会問題にならなければ行政は動きません。
・理由3
労働可能な健常者が物乞いをしている場合、金品を渡すべきではありません。労働者の意欲を奪い、無気力にさせてしまいます。
・対応策
子供や障害者が物乞いの場合、金品ではなく、食料や水などを渡すようにしましょう。
あとは、やはり人は人ですので、人を見て、貴方と相手との関係値で、助けたければその人の為になる援助する判断をしましょう。
◆物乞いの気持ちを考える
日本人は世界的に見てもかなり恵まれているので、海外での物乞いを見ても、彼らの心情を想像することをしません。
しかし、自衛のためにも、物乞いの気持ちや状況を考える必要があります。
私は東日本大地震時に自衛官でした。水が不足して奪い合い、家族として接してきた仲間を信用できなくなり、病むなく汚染の疑惑がある水を飲んだこともあります。
寝る場所がなくて、工事現場の廃材の中で丸まって寝たこともあります。
そう言う状況では、野生としての生存本能が高まり感覚が鋭くなります。
ましてや、家族を守らなければいけない極限状態の人間であれば、自分の飢えを満たす以上に愛する家族の飢えを満たすために、常に他人の隙を狙っている心理状態になるのは必定です。
必ず誰でもそうなります。もしくは、そういった極限状態では優しい者から死にます。
「腹満たされて、優しさを知る」
人は満たされれば他人に施しを与える善人になりますが、
命の危機の前では、より身近な者の善となるため、誰かにとっての悪事を成すことも選択肢に入ってきます。
日本から一歩外に出たら、少なからずそういう人間がいると言うことを忘れてはいけません。
自分が恵まれていたとしても、想像力を働かせ、他者を理解しようとする努力を放棄してはいけません。
これが海外の、特に貧困な地域を旅する時に必要になる最も重要な着眼点だと思います。
◆貧困地域を旅する時の工夫
先述した通り、持たざる者の気持ちを考えれば分かるはずですが
第一に、僻地のTPOというものがあります。服装や身だしなみを崩し、肌髪の色もなるべく目立たないように、現地に併合することが非常に重要です。
現地に味方を作ることも重要です。SNSで事前に知り合いを作っておく、現地で案内人を雇い多めの金額を渡しておく、現地で日本人を探し情報交換するなどです。
旅をする時、我々は異邦人です。現地の生活を刺激せずに、礼節と敬意を持って旅をする。
こういったことを当たり前にできて、初めて僻地を旅する資格があると思います。
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