就職に失敗しても挽回できる、でもそれはすごく大変なことだ(実体験)
もう随分と昔のことになってしまうが、僕は新卒でブラック企業に就職した。それから何度か転職活動をしてやっと今は世間から見ても自分が働いていてもまぁまともな会社(一部上場のIT 企業)に勤めるところまでたどり着くことができた。
ただ最初のつまづきは予想以上に重くのしかかり、20代後半までに自分が感じていた自己嫌悪感はとてつもないものだった。
最初の失敗
時は就職氷河期の最後のほうに遡る。僕はMARCHと呼ばれる大学の一つの通っていた。MARCHくらいであればそこそこの企業に入社できるというのが一般的な感覚だろう。超人気企業にも1名2名くらいは入社できるくらいのランクだ。但しそういう人は何かを成し遂げたか、なんらか特別な理由で入社している(と思われる)。
そんな大学に通っていた僕だが、高校は東大に二桁毎年入学するようないわゆる進学校からMARCHに入学をしている。僕の高校でいえば完全な落ちこぼれである。自分自身も早慶以上は大学ではないと思っていたので、その気の落ちようといったら「人生終わった」そういう感覚だ。
今思えば全くそんなことも無いのだが、当時の自分はそういう気持ちだった。実際に入学してみると明らかに今まで自分が付き合っていた友人よりも志は低く、MARCHに入れて万歳というクラスメートも多かったように思う。
そんな中でだんだんと自分も落ちぶれていき、気づいてみれば勉強もせず、ただただバイトに明け暮れる日々、やりたいこともなく、就職なんてしたくないと就職活動もろくにしなかった。「どうせMARCHでは大した会社にも入れないし、やりたいこともない、転勤とかしたくない、バイトのほうが稼げるし、スーツきたくないし」などなど。
人をダメにするのに4年という期間は十分過ぎた。入学したころは自分がいるレベルじゃないと思っていた大学でいつの間に就職氷河期にも関わらずそこそこの企業に就職していく友人を横目にみながらますます自己嫌悪に陥っていくのであった。
エントリーと面接
今思えば、バイト先の人とばかり接していたため情弱になっていた自分は世の中の企業のことが全然わからず、合同説明会や就活サイトの一括エントリーなどをしながら、数社面接を行う程度だった。この業界が良いというのも当然なく、なんとなく広告業界かっこいいな、商社に入って海外に住みたい、みたいなそんな脳味噌お花畑な感じである。
しかし広告業界は狭き門でエントリーシートすら通らない。商社で求められる英語の試験も受けたことすらない、大学4年にもなるともう採用試験が終わっている企業も増えてきており、いよいよどうするかと思いながらも何も行動できずにいた僕は、大量採用をしている保険、証券、銀行などを受けるようになった。
しかし、金融業は当時の僕にとって大きな問題があった。それは「転勤の可能性があることだ。」
何故かというと当時の僕はクラブ遊びに明け暮れていたため東京を絶対に離れるのは嫌だったのである。今思えば、本当にしょうもない理由である。しかし、当時の僕にとってはそれが生きがいであり、クラブ仲間としか遊んでいなかったのでそれが無くなってしまうというのはどうしても避けたかったのである。
そんなわけで僕は転勤可能性が無い企業を探しはじめた。そこで見つけたのは商品取引業界である。ここに目をつけてしまうこと自体、如何に情弱であるかがわかると思う。
商品取引業を知らない人のために補足すると、商品取引とは仕組みとしては株とほぼ同じで、株の代わりに石油や金などを取引するものだ。
商品取引自体は世の中に必要なものでマーケットそのものは株同様に取引所があり普通の仕組みだ。ではなぜこの業界に悪評が尽きないのかというと、証拠金取引であるが故に損失が大きくなりやすい、怪しい、詐欺まがいの話が多いなどが理由だったと思う。
但し、繰り返しにはなるが商品取引そのものは無くなることはなく、日本はともかくNYなどでは従事者の地位は低く無いという嘘か本当かわからない理由と初任給の高さ、転勤が無いなどの理由により、面接を受けてみることし、そしてあっという間に採用通知を受けることとなった。
広告業界で華やかにマーケティング用語を使ってプレゼンしたり、世界を渡り歩く商社マンになりたいといった唯一と言っても良い働きたいと思う業界ではなく、金融業界の厳しいと言われる営業の中で営業力を磨いてとにかく金を稼いで、留学などでもしようかと考えをシフトしたのであった。大手に就職できない限りは稼ぐことができないような給与を貰えそうだというのは決めての一つであった。
就職先や業種を人に言いたくない。。。
転職を考えている人に自分の経験談から言いたいが、堂々と人に言えないような会社には決して就職するべきではないと思う。僕は自分の就職先を人に言うのが嫌で仕方なかった。
採用通知の後だってまだまだ時間はあったのに、諦めて就活をやめてしまった、納得なんてできていなかったのに遊びに没頭して考えないようにしてしまった、ほんの1年も無いくらいの期間をもう一踏ん張り自分を見つめ直していればこんなに悩んだり、苦労することはなかったのにといまだに思ってしまう。
自分が全く納得していないなら100%の納得ではなくても、これなら良いだろうというところまで踏ん張るべきだと思う。
次回は壮絶な商品取引業界の営業について書いていきたいと思う。
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