未来予想図 2020 to 2030
おはようございます。医療的ケア児等コーディネーターの増子です。
新しい年が始まりましたね。みなさまにとってもすてきな1年になることを願っています。
地域のみなさんと一緒に、子どもと子育てをサポートするビジョンとして、2020年からの子どもと子育て支援の未来予想図と題して、今すぐに必要なこと、10年をかけて実現したい未来をまとめてみました。
「小学校1年生の壁」
①医療的ケア児は「普通に」学校には通えない。親は、就労を諦めなくてはいけない。
②学校自体にも看護師が足りず、授業中の医療的ケアは親がやってください、と言われる。学校看護師ができる医療的ケアに限りがあり、親が付き添ってくださいとなる。
③新1年生は医療的ケア引き継ぎのため保護者付き添いが必要なため、保護者が働けなくなる。令和元年度に特別支援学校入学生48名のうち1学期中に引き継ぎ完了したのは16名。残り32名は2学期以降も保護者が付き添いをしている。
(※)2020年度より東京都の特別支援学校の看護師配置が強化され、通学籍の場合は、呼吸器を含めて対応する予定ですが、訪問籍のお子さんのスクーリングは引き続き保護者の同伴が必要とされている・・・
この問題を解決するための「未来への鍵」は・・・
1.医療的ケア対応の放課後等デイサービスを増やす
人口10万人に対して、医療的ケア対応の放課後等デイサービスが1カ所必要です。東京都の多くの自治体が、児童発達支援(未就学児通園)や重心児の放課後等デイサービスがあっても、医療的ケア提供が可能ではない場合が多いです。この問題点は、国の示す障害児福祉計画の基準で”重症心身障害児を支援児童発達支援または放課後デイサービスを1つ以上必置”となっているためです。現場の実態に即して、本当に必要なのは”医療的ケアが提供できる児童発達支援と放課後等デイサービスの両方を人口10万に対して1つずつ必置”に変えていくこと。事業所を増やす取り組みが必要です。
※資料(平成29年度特別支援学校等の医療的ケアに関する調査結果)
東京都 人口 13,735,582人
東京都医療的ケア児生徒数 711人(通学560人、訪問教育151人)
2.移動支援の利用範囲拡大(通学の利用)
東京都の23区の多くが通学利用を認めているが、多摩地域では進んでいない状況がある。自治体の財政や考え方が大きく影響している。各自治体の医療的ケア児検討協議会や相談支援事業所が実態把握やローカルルール見直しの動きに期待される。
※移動支援については過去ログ参照(リンク)
3.居宅介護サービスの支給量拡大
就労家庭の多くが、学校入学と共に仕事を諦めざる終えない状況がある。本来であれば子どもの成長と小学校に入学できることは喜ばしいエピソードであるが、保護者の失職は喪失体験につながり社会での役割や生きがいを失うことで孤立、ノイローゼになってしまうケースもみてきました。これはとても深刻な問題なのです。
医療的ケア引き継ぎ期間(最短でも1学期、長くて1年間)は、移行期間の取り扱いとして、居宅訪問型保育と同等のホームヘルプの支援が必要。
また、放課後等デイサービスに週5日間通うのは体力的に厳しいこともあるので、デイサービスの通所が定着するまでの期間が移行期間に含めるなどの対応が求められる。
※居宅介護については過去ログ参照(リンク)
子どもたちは、医療的ケアだったり障害という言葉により、学校や地域、社会から排除されている。
子どもたちが笑って、笑顔で過ごせる社会を実現するためにも、わたし達が、個人と社会の接点にアプローチして、間にある崖に橋をかけていきませんか。
今年も、子ども支援していきます。この記事に気に入りましたらフォローをお願いします。増子
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