働く男
働き方というのは多種多様だ。
大学を卒業して正社員で2社、パート1社、派遣1社を経験して現在フリーランス。
現在32歳だが、大卒の中では多くの働き方を経験している方だと思う。
どのような働き方がその人に向いているのかなど、続けてみて答え合わせをするしかないのだとは思うが、少なくとも今のフリーランスの働き方は今まで経験した職種の中では随一で私に適していると思う。
一社目は民生品開発で、長時間残業の激務だったが第一志望の部署だったのもあってやり甲斐はあった。職場の人間のレベルも今思えば高かったし、ガッツさえあればもう少し食らいついていけたかもしれない。
辞めた理由としては激務が辛かったのと、事業の継続性が怪しいと思ったため。
しかしあの時辞めなければなぁ、と今でも思ったりするほど未練はある。今まで働いた中で最も濃密な労働体験だったし、働くことの基準になったのは間違いなく一社目の経験だった。
二社目はBtoB製品の工場技術だったり開発だったり。仕事自体は忙しくなかったが、人間のレベルは一社目より幾分か下がってしまった印象。それもあってか、対人トラブルに定期的に見舞われることになった。それでも転職した身として適応できるように仲の良い同僚を作るなど藻掻いたが、商材も別に魅力的では無くスキルも中々活かせない、やり甲斐も薄かった。
辞めた理由はコロナ禍や上司のパワハラなどによる精神疾患。
初めての車通勤や工場勤務など触れたことの無い文化に触れたのは経験値として残っているが、この会社の人間は総じてあまり好きではないタイプだった。
パートタイマー、これはまぁ気楽にやれた。正社員の頃と比べて裁量は少なく、時間単位でやる事を上から指示されていたが、商材が好きなものだったのでやり甲斐は大きかった。しかしまぁ同僚がおばさんばかりで中々苦労した、というのは前にも記事で書いた。
退職理由はキャリアの立て直しのため。
そうして派遣社員(一応正社員)になった。
派遣先では部署をたらい回しにされたり、外国人の先輩とのディスコミュニケーションに苦労したり、まともに人材を使えない社員の下に付けられたり、と一通りのトラブルを経験した。しかし雇用主がだいぶ話せる人だったのでワガママを聞いてもらえてそこまで不満なく仕事ができた。
退職理由はフリーランスとして開業するため。
当時の雇用主との関係が良好だったのもあり、辞めた後も仕事を外注してもらえている。
といった経歴を経て今に至っている。
働き方を色々と変えてみて得た分析結果は以下の通り。
①人間関係というか、しがらみは少ない方が向いている。何かと調整役を任される事が多く精神的な疲弊・ストレスが多かった。
②やり甲斐は無いとしんどい。ただ、商材の魅力は無くとも、自分のスキルがより活かせる仕事であればやり甲斐は得られる。
③裁量はそれなりで良い。一から考えて〜やガチガチに形式や手法を指定されるのもなかなか厳しい。ざっくり依頼されて詳細詰めながら具体的に作り込んでいく、ぐらいのバランスが望ましいかもしれない。
④家事育児もボリュームあるし、出社はもう疲れた、たまにで良い。家でのんびりラジオとか音楽聴きながら自分のペースで作業したい。
これらの①〜④を満たしているのが現在の働き方だ。フリーランスに移行できたのは人脈や時の運だが、このタイミングで独立できて本当に良かった。
しかし良いことばかりではなく、正直収入面は厳しい。開業初年度というのと、子供が病気したりでだいぶと家で看病していたので、仕事できる時間が少なかったということで言い訳している。
色々な働き方を経験したことは本意では無かったが、結果として今の自分に導いてくれて良かったと思っている。
置かれた場所で咲きなさいとは言ったものだが、明らかに咲くのに適さない場所で苦しみながら咲こうとするより、自分が咲くに相応しい土を探して藻掻くのも幸せへの道かもしれない。