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ドイツで無職になった

少し前の話になりますが2022年末、ドイツで働いて1年、日本法人にいたときも合わせると3年働いた会社でリストラに合いました。ここ1年ほどテック業界での大規模レイオフのニュースが飛び交っていましたが、まさかテック系の会社に勤めているでもない私が職を失うことになるとは。。理由は次年度より組織改編、事業改変がされるため、私のポジションが無く経営判断がなされたことでした。
元々少なからず会社に不満があったので退職自体はすんなり受け入れたのですが、向こうから言われるとやっぱり感情としてムカついてしまいます。やっと色々落ち着いてきたので、今後同じような状況に合ってしまった方の参考に少しでもなればと思い、退職に当たって行った手続きや交渉内容など書いておこうと思います。

退職勧告を受けてすぐに行ったこと

弁護士に相談

私の場合、直属の上司のから口頭で伝えられ、その後メールで更に上のマネージャーから連絡がありました。ただ、この時点でドイツの労働法など知識が皆無だった私。ネットの海をさまよい似たような事例を漁りまくりました。そんな中で見つけたのが、ドイツで働く外国人のための非営利弁護士組織。

相談料は無料とのことで、とりあえず問い合わせメールを送ると翌営業日にはすぐに電話を頂き、退職に合意するまでの間、相談にのってもらいました。退職合意書の内容などもチェックしてもらえ、必要があれば会社側との交渉に同席もしてもらえるようです。以下に書いてく内容はそこの弁護士さんに教えて頂いたことも多く、ネットの情報だけだと詳細が分からないことが多かったので、ぜひ活用されることをオススメします!担当者の国籍にもよりますが、言語もドイツ語、英語、アラビア語など多言語対応です。

退職勧告の期間

ドイツでは法定で最低退職勧告期間が設けられています。勤続2年未満なら1か月、5年未満なら2か月、と勤続年数に応じて増えていきます。ただし、雇用契約書に別途記載がある場合はそちらが優先されるようなので、まずは契約内容を確認しましょう。私の場合は法定で定められている4週間を切って勧告を受けたので急ではあったのですが、その分、パッケージの交渉をある程度有利に進めることができました。

退職パッケージ

Google JapanやMetaの超手厚いパッケージ内容のニュースを見て驚愕しましたが、私の場合は3ヶ月分を受け取りました。テック業界で大レイオフ中だったので知り合いに彼らの内容も聞いてみたところ、3か月というのはドイツの相場的にも悪くない内容だったので、それで合意に至りました。もし内容を不服として法廷へ申し立てをしても、法律で定められている金額は勤続年数×0.5ヶ月分なので(少ないですよね。。)これより多い金額を提示された場合は、受け入れた方が良いかと思います。

退職の種類と、失業手当のブロック期間

退職の種類には大きく分けて<Termination agreement;退職合意 ><Termination letter;解雇通告>の2つがあり、これが失業保険の給付に影響してきます。微妙な単語の違いなのですが、この種類が失業手当のブロック期間に関わってくる重要なポイントです。

Termination agreement 退職合意

これには自己都合退職、会社都合退職のどちらも含まれ、何れにせよ双方が合意の上退職する形式です。こちらだと退職前にパッケージや時期など、交渉の余地があります。

Termination letter 解雇通告

これは一方的に会社から解雇を言い渡される場合で、雇用者に拒否権はありません。ただ、ドイツでもこれを発動するのはハードルか高いらしく、行った場合、会社は理由を労働局に報告しなければならないそうです。

ブロック期間発生の有無

自己都合退職の場合、最大12週間のブロック期間と呼ばれる失業手当を受給できない期間が発生します。そしてTermination agreementの場合、記載がない限りそれが自己都合なのか会社都合なのか分かりません。なのでたとえ会社都合であったとしても12週のブロック期間が発生してしまうのです!
一方、Termination letterの場合はブロック期間無しですぐに失業手当を受け取ることができますが注意点として、何かしら失業パッケージの合意等の書類にサインしてしまうとブロック期間が発生する可能性がある、とのことでした。ただ、もしブロック期間が発生してしまっても医療保険等はその間も支払って貰えるので、病気の心配はありません。
金銭面での不安をなるべく減らしたかった私は、おかしな話ではありますがTermination letterで解雇して欲しいと会社にお願いしてみましたが、先述の理由によりダメとのこと。なのでTermination agreementに加え労働局に提出する付属資料として、これが会社都合である旨を書いた文書を作成してもらいました。相談していた弁護士さんにはそれが効力あるかは労働局の担当者によるから何とも言えない、と言われましたが、まあダメ元でやれるだけ準備しておきました。

失業給付の結果

結果、私の場合ブロック期間は2週間のみですぐに給付を受けることができました!労働局から会社側に退職理由の確認が入っていたようで、審査に少し時間はかかりましたが12週は受給できないと思ってたので嬉しかったです。色々準備しといて良かった~。
労働局に求職者登録をすると、まず担当の就職アドバイザーと面談があるのですが(これについてはまた別の記事で)その際、会社都合ならブロック期間は無いはずだ、とも言われたので、ブロックされてたとしても不服申し立て等できるかと思います。

ビザについて

単身ドイツで生活する身として、これが一番の心配事でした。私の滞在許可は会社と紐付いているものだったので、原則そこで働かなくなったらそのビザでは滞在できません。なので、まずは外国人局に退職する旨を報告しなければなりません。そこから1ヶ月以上返事は無く、不安ながらもそのまま滞在できてました。その後、新しい雇用契約書かあるなら送ってと言われましたがそんな物はまだないので、Job seekingの申請をするとすぐに仮ビザを発行してもらえました。
この対応は担当者や州によって大きく異なると思いますが、個人的にネットで調べたり周囲の人に聞いた限りだと、適宜報告、申請をしていれば日本人の場合、滞在資格を失っても即国外退去となることは少ないそうです。ビザが切れてしまっても、Job seeking ビザや語学学習ビザ等を申請できるので、ビザ問題は何とかなりそうだな、と算段がついたので退職合意しました。

さいごに

単身、異国で、人生初めての経験だったので、知らされた時は動揺しましたが、退職までの交渉猶予期間があったこと、ドイツの社会保障は外国人にも手厚くビザも比較的取りやすいので、アメリカでレイオフされるのに比べたら生ぬるいもんだろうな、とは思います。これまでドイツの高い税金払ってきたかいがありました。ただ、これは2022年12月時点、且つあくまで私の場合です。個々人で状況の詳細は異なると思いますので、もしレイオフやリストラに合われた際はご自身で弁護士や外国人局に相談してください。もしドイツで失業してしまったとしても絶望せずに、このnoteを読んで何とかなる!って思って貰えたら幸いです。

今後はドイツ就活状況についても書いていこうと思っています。本記事執筆の2023年5月時点でまだ絶賛無職なので、サポート頂けると嬉しいです!

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