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インターましロードを作るたび、序章~壮絶な準備段階の記録
1 はじめに
『インターましロードを作るたび』、序章へようこそ。旅の実行日が刻一刻と迫っている中、これを執筆している。
今回は、旅の準備段階の壮絶な体験について実況する。準備はまだ絶賛進行中なのだが、自分でも驚くほどの執念で旅の準備をしたので、証を残しておきたい。随所で、お役立ち事項も紹介するので、ヨーロッパの旅を考えている読者諸氏の参考になれば幸いである。
また、この記事は、前回の開催のお知らせ記事と併せて読んでいただくと分りやすい。
https://note.com/mashiron_dream/n/n361af687e452?from=notice
2 InterrailとEurail
2.1 チケットの概要
前回の記事でも書いたように、今回真しろが使用するチケットは、Interrail Global Passという、ヨーロッパ33カ国の電車をチケット1枚で乗り放題という魔法のチケット。
https://www.interrail.eu/en/interrail-passes/global-pass
このチケットは11ヶ月前から購入が可能で、旅を何日続けたいか、席のグレードをどうするかによって値段が異なる。真しろは5日間使用できて、有効期間1ヶ月、セカンドクラス(通常の席?)のチケットを購入して、お値段は223ユーロ。日本円でざっくり4万円だ。決して安いチケットではないが、これで33カ国の電車が乗り放題とあっては、乗れば乗るほど元が取れるので、鉄ちゃんとしては買うしかない。
そしてここで要注意なポイント!!! 大抵の電車はこのチケットだけで乗れるのだが、一部の高速列車や国際列車は、これに加えて別途予約をしなければならない。具体的には、英仏間を中心に運行するユーロスター、フランスの新幹線、TGV、イタリアの高速列車、ITALOなどに乗る場合だ。このポイントが、今回の壮絶な準備段階の最も大きな障壁となった……。
2.2 チケットに関する手順
Interrailのチケットの使用手順に関して、日本語で記されている記事が少ないように感じたので、ここで詳細を書いておく。
チケットを購入するだけでは、このパスは使えない。支払いを終えると、パスの整理番号などが書かれた詳細なメールが送られてくるので、まずはそのメールをどこかに控えておく。
次にすることは旅程の作成。その際には、以下のアプリの使用が推奨されている。
https://www.interrail.eu/en/interrail-passes/global-pass
アプリをダウンロードしたら自分の旅程を打ち込んで、それが終わったら先ほどのメールを開いて自分のパスナンバーを打ち込み、旅程とパスを接続させるのだが、その前にやっておくべきことが……。
旅程を組んでいくと、sweet reservation requiredという指示が出てくる。これがいわゆる先ほど書いた、「予約が必要」という列車のことだ。これが出てきた場合は、パスと旅程を接続させる前に、予約を確定させなければならない。予約の確定はアプリの指示に従って行えばできる。逆に、例えばユーロスターのサイトから直接予約しようとすると、Interrailパスを適用できないことがあるので、アプリのメニューから予約することを強くおすすめする。予約には追加料金がかかってしまうのだが、Interrailを使わずに乗るよりは、はるかに安く済む。
予約が必要な列車の予約を確定させて、不安要素がなくなったら、やっとパスと旅程を接続する。具体的にはパスナンバーを打って、パスポートの情報などを打ち、旅の開始日を選択すれば完成だ。なぜ予約を確定させてからこの作業をしなければいけないかというと、パスと旅程を接続させてからだと、もし予約が確定できなかったときにキャンセルできないことがあるからだ。
これでようやく旅をスタートできるのだが、かなり慎重にこの作業をしないといけないことは、おわかりいただけただろう。ちなみに上記のアプリは、インストールすると妄想旅行の楽しめる。
2.3 Interrailと Eurailの違い
Interrail Global Passはヨーロッパに住んでいる人しか購入することはできない。それなら日本から来た旅行者や短期滞在者には関係ないじゃないか。そう思ったそこの鉄道好き、もしくは旅行好きのあなた。そんな人にももう1つ選択肢が用意されている。それが、Eurailパスだ。このパスは、Interrailパスと同じ効力を持ったパスなのだが、使用できるのがヨーロッパ以外に住んでいる人だ。つまり、日本から来た旅行者がヨーロッパの鉄道旅を楽しみたければ、このパスを使うことができる。使用手順は上記と同じだ。
さて、ここまでチケットの説明をしてきたが、ここからいよいよ準備段階のことについて書いていく。
3 ユーロスターが使えない
Interrailパスの存在を知った真しろは、ジャーマンましロードの企画が終わった6月中旬、早速企画を開始した。ところが最初から思わぬトラブルが発生。ユーロスターが使えないことが分った。つまり、予約でいっぱいだったのだ。
ユーロスターとは、英国とフランス、オランダ、ベルギーを結ぶ国際列車だ。言い換えると、島国である英国から大陸へ電車で渡るにはユーロスターしかない。
https://www.eurostar.com/rw-en
この電車は、Interrailパスを持っていても追加で予約が必要だ。ちなみにこのパスを使って予約すると、約5000円で乗ることができて、定価でチケットを買うより俄然安い。
そして真しろが予約しようとウェブサイトを見てみると、なんと1ヶ月先まで予約がいっぱい! 英国から大陸へ電車で渡る手段は閉ざされたわけだ。ずばり、つんだのだ。もう諦めるしかない。そう思って、一度企画していた旅を白紙に戻した。ヨーロッパへの鉄道旅は諦めようとなんども自分に言い聞かせた。
4 執念で描いた旅の地図
人は本当に何かを諦めたくない時、自分でも驚くほどの執念を発揮する。真しろは、自分すら信じられない程の執念で、旅の地図を書き殴っていた。
ユーロスターが使えない。それだけの理由で本当に諦めるのか。何度も何度も自分からそう言われた。じゃあどうすればいいんだよ、と何度自分に聞いても、なかなか答えは返ってこなかった。
でもふとした時思いついた。別に全て電車で旅する必要はないんだと。
ここで、改めて旅のスタートとゴール地点だけ再掲するが、この旅はまずロンドンからヴェネチアへ飛んで、帰りはマルセイユからロンドンへ戻ってくる。ここに、執念で描いた旅の地図の結果がある。パリやローマ、フランクフルトなどの都市ではなく、なぜこんな都市を結ぶ旅になったのか。それこそが、自分が自分に執念で出した答えだった。面白いルートでたくさん電車に乗るにはこの2つの都市を起点にするのが最適なのだ。
もちろん迷いはあった。しかしそれよりも真しろは自分の手と頭と心が動くのを止められなかった。次々にチケットを予約し、旅程が組まれていく。気づけば1日かけて、その旅程は完成していた。
5 障壁は乗り越えるためにある
しかし障壁はたくさんあった。例えば、今回TGVを使用するのだが、そのTGVを予約するために使用したというよりInterrailのアプリに指定されたウェブサイトが非常に使い辛かったのだ。具体的には……
・ そもそも行き先を入力するテキストフィールドにカーソルが当たらない。
・ 乗車する日付がうまく選択できない。
・ 支払いがなんども拒否された(受け付けてくれるクレジットカードの種類が少ないため)。
ちなみに、TGVほんちゃんのウェブサイトはこのような障壁はなく、どうやら、Interrailのアプリから飛んだウェブサイトは操作が難しいらしい。だが、このウェブサイトを使わないと、Interrailを適用して購入できないので、超えざるを得ない障壁なのだ。
また、今回ロンドンからヴェネチア、またマルセイユからロンドンへの飛行機は、RyanairというLCCを使うのだが、このサイトも予約をするときにいろいろ障壁があるのだ。とにかく早く予約したかったので、最後の手段。以前フェリーの予約でお世話になったOmioという予約アプリを召喚して、無理矢理予約成功。ただ、直接Ryanairのサイトから予約していないため、認証が必要らしい。Ryanairのウェブサイトはこちら。
ついでのついでに、Omioのウェブサイトも再掲。いざというときには頼りになる。
https://www.omio.co.uk/
障壁を越えるのは確かに大変だし、それを理由に諦めざるを得ないときもある。しかし、大抵の障壁は乗り越えるためにあるものなのだ。全ては旅を成功させるため。どんな手段でもいいからやれることをやって、ときには人の手も借りて、なんとか準備はほぼ完了した。
6 100%の希望より100%の思い出を
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執念で旅のルートを完成させたとはいえ、全て思い通りになったわけではない。今回の旅の目的の1つに、スイスにいる2人の友人に会いに行くというのがあったが、1人の友人の都合が付かず、スイスへの滞在はほとんどしない旅に変更となった。また、何度も書いている通り、本当はユーロスターに乗りたかったが、予約がいっぱいなのだからしかたがなく断念。
しかし、今回の準備で学んだのは、100%希望通りになることよりも、自分が100%満足する思い出を作ることだ。今の思い通りの旅ができても、それが心に残らなければなんの意味があろうか。
だからこそ、1日に移動する距離は最小限にしつつ、Interrailの元を取るため、そしてこれもずっと乗りたかった夢を叶えるため、TGVに乗車することにしたりと、思い出のための手段を講じている。不安要素だってたくさんある。しかし最終的に目指すのは、100%の思い出を作って、100%の笑顔で帰ってくることなのだから。
7 ヨーロッパで大回り乗車?
ここで、鉄ちゃん的なお話をひとつ。今回電車で旅をするのはヴェネチアからマルセイユ。普通、電車でヴェネチアからマルセイユに行くなら、イタリアの高速列車で、ヴェネチアからフランスとの国境地帯まで移動して、そこからマルセイユに行けば済むのだ。それを今回真しろは、わざわざオーストリアやドイツ、スイスなどを経由して向かうのだ。さらに言えば、イタリアからスイスに関しても、わざわざオーストリアなんかを経由しなくても行く方法はある。
なぜこんな複雑な旅のルートにしたのか。理由は3つ。
・ たくさん電車に乗れば乗るほど、Interrailパスの恩恵にあずかれるから。
・ ヨーロッパでの大回り乗車を実験してみたいから。
・ オーストリアやスイスに行ってみたかったから。
つまりこれらの理由をまとめれば、Interrailパスは、ヨーロッパで大回り乗車をするのに最適、ということになるのだ。こんなことを考えるのは、東京の複雑な交通網が大好きな日本の鉄ちゃんぐらいかもしれないが。
8 おわりに
「そこまでしてなんでヨーロッパの鉄旅にこだわるの?」と、今回家族を中心にいろいろな人に言われた。正直自分でもうまく答えられない。ただ1つはっきりしているのは、この渡英修行において、「たとえ後悔したとしても、悔いのない経験がしたい」それだけの気持ちから執念が生まれたのかも知れない。ちなみに今の言葉は、スイスで会う予定にしている高校時代の友人の受け売りなのだが。
次回の投稿は、いよいよ旅1日目のものになる。ここから先はどうなるか真しろにも分らない。
それでは今日はこの辺で。Have a nice day!