映画『グラディエーター』感想 自分の教養の無さと映画鑑賞の面白さに気づいた
12月1日に映画『ナポレオン』(主演:ホアキン・フェニックス)が公開されます。ポップが多く設置されているなど、プロモーションにも力を入れており、今から楽しみです。
同作品の監督を務めたのがリドリー・スコット。代表作は『ブレードランナー(1982年 主演 : ハリソン・フォード)』が挙げられます。これと同等なくらい有名なのが『グラディエーター(2000年 主演 : ラッセル・クロウ)』。事前に同監督作品を予習しようと思い「歴史を扱った作品のほうがいいだろ」ということで、後者を見ました。
グラディエーターのあらすじ
帝政ローマ時代が舞台。ローマ軍の将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)は戦果をあげていた。これを皇帝アウレリウスに認められ、次期皇帝の座を任命される。これに嫉妬した皇太子コモドゥスの策略により、主人公は将軍から奴隷まで落ち、家族まで殺されてしまう。
その後、剣闘士=グラディエーターとして名声を得ていくマキシマス。その目的はコモドゥスに復讐することであった。
古代ローマについての知識0で鑑賞
僕は学生時代、世界史には全く触れていませんでした。一応、世界史の授業はあったのですが、なぜか授業内容は日本史。好きな教科だったから全く苦ではなかったものの、それが今になって後悔することになりました。
そのため、古代ローマについて基本的な知識は全くありませんでした。作中に出てくるもので知っていたのはコロッセオのみ。他は無知のため、作中の疑問などをメモしながら鑑賞していました。登場人物名もややこしくて、記録しながらじゃないと混乱していたと思います。
メモの疑問点まとめ
ゲルマニアってどこだ?★
共和制ってなに?
議員制はいつから存在?
奴隷文化は紀元前からあったのか?
指輪をつける風習ってあるの?★
今回は★を付けた2点について書いていきます。
ゲルマニアってどこだ?
物語の最初はマキシマスがゲルマニア遠征し、戦争をするところから始まる。「ゲルマニアってどこだよ!?」冒頭五分で早速疑問点が生じました。英語でGermanyだから、ドイツらへんかな?と推測を立て調べてみました。
Wikipediaによると現在のドイツ、オランダ、チェコ、スロバキア、デンマークとほぼ重なる一帯らしい。
この地図と作中設定が合致していたら、ローマは国土が広すぎます!この争いの背景にはローマと周辺国の国境が不安定となったことと、疫病が国内で流行したことがあったそうです。国境地帯で番族同士の動乱が発生したこともあり、戦争が始まったとされています。作中冒頭で戦っていた敵はこの蛮族なのです。それを鎮圧することが主人公の任務だったと思われます。
指輪をつける風習はいつからあるの
物語のクライマックス。マキシマスがコモドゥスと決着をつける前、亡くなった妻との指輪を付けるシーンがあります。これを見て「指輪をつける風習ってこのころからあったのかな」と疑問に思いました。
もし、現代の風習にならって、時代にそぐわない場面を作ってしまうと一気に〝作り物〟感が出てしまいます。
調べてみたところ、恋人同士が指輪の交換を用いるようになったのは2世紀ごろにはあったそうです。
180年からこの映画は始まります。時代的には全く問題なく、むしろ流行りの風習に従っているともいえそうです。
疑問点を持ちながら見ると見方が変わる
単純にストーリーを楽しみながら見る。何も間違ってはいません。ただ、これはどうなんだ?と常に疑問に持ちながら見てみると新しい発見があります。難点は頭を使うので、正直疲れる。わからないところを調べるのもちょっと億劫。でもこうやって新しい知識を覚えると、さらに映画が楽しくなる。新しい楽しみ方を教えてくれた映画でした。
作品情報
監督 リドリー・スコット
出演 ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス他
配給 ドリームワークス、ユニバーサル・ピクチャーズ
公開 2000年