雫が駆けるその場所へ。
私には、行ってみたい場所があった。
2021年4月23日。
私は初めてその場所を知り、
「旅をするならここを目的地に」
と強く願った。
願いは叶わない、というか無理だろう…と思う日々は
様々な理由を携え積み重なっていった。
それでもひとつずつひとつずつ理由を削り取り、
時間や状況の変化を待ち、
ひょんなことから連休を得た私は、向かうことにした。
あなたが教えてくれた、あの場所へ。
あなたが私に贈ってくれたフルコースの一部を味わうために。
そこはとても広く、静かで、穏やか。
白か灰かのコンクリートの冷たさと、
生み出される雫とその集合体、
そしてそこを通り抜ける心地よく清い瀬戸内の風が、私たちを厳かに迎え入れる。
生き物のように集まっていく雫たち。
最初はどこから湧いているのか不思議で、下ばかり見てしまう。
そして駆けていくのを眺める。
その子たちの邪魔にならないように。
普段見ている水と同じなのに、その子たちはそうとは思えない。
床から湧き出た瞬間に”いのち”を吹き込まれ、
誰に言われるでもなく、駆けて、集まっていく。
静かにそれを見届け、
そして風を感じるように空の穴を見上げた。
滞在時間はそんなに長くなかったと思うけれど、
世の夏休み直前だったため、その場所も島全体もざわめきだす前だった。
おかげで静かに訪れたいと思っていた場所は、母と私のふたりきり。
ここに向かうまでにはそんな静けさも吹き飛ぶとんだハプニングが立て続けにおきたけれど、それはまたいつか。
ここまで来るのに
こんなに時間がかかってしまったけれど、
やっと叶えたよ。
ありがとう。
私のことをたくさんたくさん想ってくれて。
未だに私はあなたが眩しいけれど、
私には私の、あなたにはあなたにしか作れない景色を作っていこう。
あなたとあなたのパートナーが
春の朝の日差しのような、暖かな幸せを育み続けることを心から願っています。
大切な友達、ももちゃんへ。
私をサポート?!素直にありがとうございます。あなたのサポートは、真っ赤で、真っ黒で、時に真っ青なましろが真っ白になれるよう、note内で活かされ続けます。