奏心声音（純粋な笑顔）

君の熱が僕に伝わる

少し機嫌の悪い君の顔もすき
拗ねた顔も 怒った顔も
たまにはそんな顔を見るのも楽しい

2日前の夜 そんなことを思いながら君を見ていた
どんな顔も愛らしいなと
少し微笑んでいた自分が  恐ろしいと思ったのは翌日

朝から 少女の体調がおかしかった
もしかしてと 体温を重ねて見ると  熱い
39.2……インフルエンザ
病院に駆け込み 投薬してもその熱は下がることを知らない  ごめん ぼくのせいだ

声を持たない少女にとっての
会話手段は手話  きっと熱からの間接痛や気だるさで
手話で伝えることも出来なかったのか

それなのに  愛おしいなと眺めていた時分が情けない
点滴をして よく寝て やっと落ち着いたのは今朝だった

病み上がりの君の手話わ「プリン欲しい」
にっこりと微笑んでくれる君の笑顔に
どれほど幸せを感じたか

心から笑ってくれる君が可愛い

守っていこう二人の世界を
僕のためにも