奏心声音⑩
いよいよ五月
そろそろ衣替えでもしておかなければと
重い腰を上げる僕
四月の終わりに祖父を亡くし
気がつけばGWも後半
この連休で少女とのお出かけを数日予定していたが
それどころではなくなってしまった
そう思いながらまず衣替えをと思い少女に声をかける
去年の服がほとんど切れないくらいに少女は成長している
子供ってすごい生き物だな・・・
1年という時の速さに驚き
成長の速さに感動
ひとしきりやるべきことを終えた時
少女が珍しく僕に話しかけてくる
『花を見に行きたい』
小さな手のひらをパッと開かせクルクルと回す
そういえば浜松のあたりで花博が開催されていたような
少し遠出になるが行ってみるか
人混みの中
この花々を少女はどんな気持ちで見ているんだろう
少女の目にはどのように映っているんだろう
色とりどりの花に目を輝かせながら
新しく手にした色鉛筆で必死に
絵を描く少女
そう
少女が三本目に手にしたのはピンク色
そして少女が見たかった花は
カーネーション
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