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#28 フリーランスが台湾に移住するか本気で考えてみた結果

今回は、ずっと住んでみたかった台湾に3ヶ月滞在した際の記録です。本気で移住するかも…と思ったので、あえて夏のいちばん厳しい時期を選びました。結論から言うと、台湾は居れば居るほど、知れば知るほど面白い場所だけれど、移住するのはちょっと…という気持ちも芽生えてきたのです。


台湾って、日本と似てる?

台湾では、日本と全く変わらない生活ができます。
蔦屋も無印もあるし、日本と遜色ないレベルでお寿司を味わえるお店もたくさんあります。
台湾の方たちは親切で、日本に親しみを持ってくれる人も多いです。普段海外に滞在するときは、どこか緊張感を持って過ごすことが多いのですが、台湾では完全に日本で暮らしているような安心感を感じていました。

だからこそ日本で住んでいるのと変わらない。

よく海外にいると、周りの目を気にしなくて良かったり、日本的な閉塞感を感じなくてすむという経験をするのですが(もちろん台湾に住んでいる方の中にはそれを感じている人もいると思いますが)、私は滞在期間が延びれば延びるほど、海外のはずなのに日本で感じるような既視感を覚えるようになりました。

特に感じたのがご飯を食べるときです。

海外で過ごすときは良い意味で周りの目が気にならないので、1人で小汚い(失礼)裏路地にある現地のおっちゃん達しかいないような食堂にも普通に入れます。むしろこれだけ色んな国に行けば多少は経験値があるので、「あ、いい匂いしたな」と思ったら躊躇なく入ってしまう方です。たとえ失敗したとしても一期一会を逃したくない。

台湾でも、表通りから1本入った路地裏を歩きながらとても良い匂いのする海鮮屋さんを見つけました。外でおっちゃん達が貝やイカを焼いており、小汚い店構えに妙に浮いた原色のビールの看板がかかっていました。

半露店のようになっているその店に「いい匂いだなぁ」と近づいたその瞬間、バッと向けられたおっちゃん達の視線。「え、入るの?」そんな驚きを含んでいました。日本で感じるのと同じ場違い感を急激に感じました。

女子ひとりで入るようなお店じゃないのかもしれない。
地元のおっちゃん達の憩いの空間を邪魔されると思ったのかもしれない。

でも海外にいるとき、いつもはそんなこと大して気にならなかったのです。
しかし、台湾の”それ”は言葉はわからなくても、日本で感じるのと全く同じ感情を強烈に感じ取ってしまいました。


台湾の人って、どんな人?

意外と人の視線感じるな。

台湾で暮らしてひと月近く経つと、次第にこんな感想が頭をよぎるようになりました。

台湾の人はおおらかで優しい人が多いといわれます。だから「日本と違って他人の行動なんて気にしないかな」と思っていたけれど、日本で感じるのと同じような視線はちょくちょく感じました。

私の場合は、いわゆる台湾の人の大らかさがマイナス面に働くシーンも多くて。例えば家探しや契約、約束ごとに関してルーズな一面は本当に悪でしかない、とさえ思いました。メールを返さなかったり、対応が不誠実だったり。(台湾大好きな方が多いので、こんな事を書いて怒られないか戦々恐々としていますが)

決断が早かったり、柔軟性があったりという良い面もあるのだけれど、なんでそこのルーズさだけ欧米よりなんだ!と感じずにはいられませんでした。

似ているといえばもう一つ。
外国人に対する対応は本当に日本人と似ているなと感じました。気の使い方が日本人と話しているみたいで「もっと気にしなくていいのに!」と思ってしまうことが何度も。これは国柄じゃなくて人柄の問題なのかもしれないですが。

どの国でも大なり小なりあることではありますが、それでもやはりここがタイやロンドンだったら感じなかったと思うのです。

台湾の夏、乗り切れる?

今回の滞在は、1年の中で最も過酷な季節を選んでみました。というのも、快適じゃない季節を知ってそれでも住みたいと思えるかどうかが、移住の決め手になると思ったからです。

しかし、台湾の夏は想像以上に過酷でした。

湿度が高く、ジメジメしていて、家から一歩外に出るのが億劫になるほど…日本の夏も好きじゃないけど、台湾の夏はさらに厳しいと感じました。湿度が高く、雨がいきなり降る、洗濯物が乾くほどカラッと晴れる日が滅多にない。

6~8月の台湾は曇天や雨の日がすごく多いので、それはそれで写真を撮るともれなく陰影の強い、すこし暗めの雰囲気のある写真が撮れます📸

また、移動手段がバイクというのもつらい。

台湾では朝夕のラッシュになれば思わず観光客が二度見してしまうほどのバイクの行列ができるのですが、私は「台湾でバイクに乗ってみたい」と何度も思いながら、なかなか真似できませんでした。

日本よりもアバンギャルドな交通ルールの中で思いっきり走らせてみたいと何度も思ったのですが、あの猛暑の中を、あの大群にまぎれながらバイクで移動するのは、さすがに勇気が出ませんでした。

バスや電車など、日本と同じく便利な交通手段はいくらでもあるのですが、酷暑ともいえる暑さに、自由に動けないハードルが相まって、最後の方は本当に近所の夜市にご飯を買いに行くくらいの、ひきこもり生活を送っていました。

それでも台湾に行きたいと思う理由

台湾は過去に短期滞在を繰り返して「ここかも…!」と感じていただけに、自分の中で移住したいという気持ちにならなかったことが、本当にショックでした。

私にとっては、日本と似ているのに、生活するには日本以上につらく感じることが多過ぎたのだと思います。特に家探しでルーズな関係者に振り回されたことが大きな原因かなぁという気がしています。

台湾に移住したいか、と言われればそこまでハマることはできませんでした。でも、もっと頻繁に来たいと思うようになりました。

たぶん日本で東京から大阪や名古屋に遊びにいく、くらいの感覚なのです。気軽に遊びに来たい。それこそ週1でふらっと訪れるみたいに。

ここにしかない魅力をちょくちょく感じたいと思わせてくれる、日本からちょっとした非日常を満喫するにはピッタリの場所だと思います。

もっとたくさんの人に訪れてほしい。短期で人におすすめしたい旅先のひとつという気持ちが自分の中ではっきりと形になった滞在でした。

数ヶ月ずつ滞在して「どの国に住みたいか」を考える自由研究をしているフリーランスの考察・感想です。このnoteは移住計画の頭の中を綴っています。よろしくお願いします。