セクシャリティの観点から見る市場経済 現代社会で性的弱者であることの残酷さ ミシェル・ウェルベック『闘争領域の拡大』
28歳童貞、醜男。女の子をおとせる見込みなし。現代社会で性的弱者であることの現実を仮借なく描くフランス現代文学を代表する作家ミシェル・ウェルベックの最初の小説作品レビュー。
ミシェル・ウェルベック『闘争領域の拡大』 中村佳子訳 河出書房新社 2018年
本書は1994年に発表されたミシェル・ウェルベック初の小説作品の邦訳が文庫化されたものであります。ウェルベックはフランスいちセンセーショナルな作家という評価をほしいままにしている何かとお騒がせものの作家であります。本作品は