62. 子育てしながら建築を仕事にする
印象に残ったことを3つ書き出します。
1.とにかく時短できる方法を探す。
建築業界で働いている人の多くは、日々残業と戦い、答えのないアイデアを捻出する業務に追われていると思います。その中で、家庭を持ちそこに時間を割くために、ほとんどの人が時短スキルを持ち合わせていました。
床掃除はルンバにやってもらう、ドラム式の乾燥機付き洗濯機で洗濯物を干す手間を短縮する、大型の買い物や日常の食品まで宅配サービスを利用する、など。
言われてみれば安易に想像できるが、これらによって生活が成り立っていると強く感じました。
子育てに限らず、「時間をつくる」ということの大切さは活躍する建築家が述べるとより一層重要に見えました。
2.何かをあきらめる
個人的に一番印象強いのがこれです。終わりの言葉を飾った建築家成瀬友梨さんが自信の生活の中でいくつかの選択肢を切り離していました。もちろん他の人も。特に女性は、身体的にどうしても働けない日というものが来てしまうとき、もどかしさを感じながらも、家庭に目を向けようとする姿勢がとても印象的でした。
おそらく、育児さえなければどれだけでも仕事を回せてしまう人たちがこの本を書いていますが、ポジティブな諦める選択肢をとることで、効率的な時間の使い方を身に着けたり、よりフォーカスしたアイデアが生まれる経験を持っていました。
またこの言葉には「自分のキャパの外に出す」という意味もあると思いました。他の誰かに「任せる」という意味でも、自己の成長、組織の成長につながる貴重な選択だと思いました。
3.子育ては楽しい
建築か永山祐子さんの言葉にこんなものがありました。
とても素敵な言葉だと思います。
不本意に子育てしてる人はいないと思いますが、辛さや苦しさがある一方で、自分で選んだ選択肢だということ。
ただでさえ自分が建築を選び、苦しい日々が続くと「やめたい」と思うときもありますが、これも自分で選んだことです。
今、自分に子育ての環境こそないものの、自分で選んだものはとことん楽しみたいですね!
本を読み通して思ったことは、働くパパママはかっこいい。こんな人たちに自分もなりたいと思いました。
そして同時に建築をやりながら子育てをすること(これは他の職種でもいえることだとは思うが)が、いかに大変か、生半可な気持ちで選んではいけないと思う一方で、羨ましいと思えてしまう内容でした。