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Jesus christ superstar 2019Barbican公演 【演出編 後編】
※ネタバレしかありません
※当時のメモなどを見ながら思い出して書いていますが、記憶違いも多々あるかと思います。ご容赦ください。
※文中の「♪」以降は歌詞です。もちろん英語歌唱でしたが、書き手の英語力が低いため、劇団四季の歌詞で代用しています。ご了承ください。
The Last Supper
♪苦しみもつらさも皆~でわらわら十字架の周りに集まってくる12使徒たち。ダ・ヴィンチの最後の晩餐の絵画と同じポーズでピタリと止まる。
会場からは笑いが起こりました。
First look production images revealed for #JesusChristSuperstar at #TheBarbican with #RicardoAfonso, #SallayGarnett and #RobertTripolino. #Tickets and more on https://t.co/H53qyDUP8a. Photo credit: #JohanPersson. @JSC_London #BarbicanCentre #Barbican https://t.co/Z7SYMRcet4 pic.twitter.com/fW9zcb6gF5
— Theatre-News.com (@TheatreNewsWeb) July 9, 2019
♪私のことを思い出すだろう まで絵画のポーズ、♪思い出すとは私がみんなに求めているのは で曲のテンポが変わるとNO!NO!と叫んで裏切り者を探し出す12使徒たち
Gethemane
ジーザスがアコギを持ってスタンドマイクで弾き語り、のちギターを置いてシャウト。
歌うだけでも難解なのに、弾き語りまでするのはキャストを選ぶ演出ですね。
The Arrest
カヤパ達は群衆を引き連れていますが、1部の群衆は黒いワンピースにローマ彫刻のようなフェイスマスクを被り、カヤパたちも持っているような金の杖を持っています。このフェイスマスクがとても不気味です。
段々とフェイスマスクを被る群衆が増えていくのは、ジーザスを裏切りカヤパ側につく様子を表しているようでした。
Herod's Song
十字架の奥から金のマントを羽織ったヘロデが登場します。マントの裾はとても長いもので、舞台奥の装置と繋がっている?ように見えました。十字架上のスタンドマイクで歌い出だすと、マントが引っ張られて脱げます。
ヘロデは林檎をひとつ持っていて、曲中で群集扮する取り巻きのひとりに向かって投げると、奴隷は口でキャッチします。
ヘロデ登場シーンの際、首に銀のお盆をつけた奴隷たちが十字架に体を隠すようにしゃがんでいるので、銀のお盆の上に生首が載ってるように見えてとてもシュールです。(というかこの曲全てエッジがきいたシュールな演出です。)
写真家のJane HabsonのInstagramより
Could We Start Again,Please?
ペテロ役のMatthew HarveyのInstagramより
ペテロがギターを弾き語り、マリアはハンドマイクで歌います。
Judas's Death
自殺シーン、ユダは舞台上に組んである鉄骨の2階部分へのぼり熱唱。最高潮のところで持っていた有線マイクを鉄骨の柵部分に投げかける。それまでユダを照らしていたスポットライトが2階から放り投げられて吊り下げられたブラブラ揺れるマイクを照らします。
まるでユダが飛び降り自殺をしたように見せる演出。(ですが、他の演出に比べるととてもあっさりしているようにみえました。死を美化しない狙いなのかもしれませんが、初見は驚きました。)
Trail By Pilate/39 Lashes
上半身裸で全身血まみれメイクで登場するジーザス、手は有線マイクのコードでぐるぐる巻きにされています。
(さっきユダが投身自殺で落ちただろう場所から血まみれジーザスが出てくるので、2人の関係がシンクロしている暗示のようにも見えました)
血まみれメイクが出来上がっていく様子↓
ジーザス役Robert Tripolinoのインスタより
カヤパたちに迫られるピラトは逃げようとしますが、ジーザスの手が繋がれているマイクのコードに阻まれて逃げることができません。
ピラトのカウントダウンで鞭打ちが始まりますが、群衆たちが金の粉をジーザスの身体に打ち付けるように振りかけます。
ジーザスの体には乾いていない血糊がついているので、カウントする事に身体中が金粉塗れになるのですが、血と土や泥で汚れたように見えてかなり衝撃度が高いです。
ピラトはジーザスや群衆から離れた、バンドのいる鉄骨の2階でカウントダウンをします。カウントに合わせて拍子木のようなもので鞭の音を鳴らしていました。
鞭打ち後はピラトが苦渋の顔でジーザスの頭を抱いていました。(登場時、空き缶を投げていた時との落差よ...)
鞭打ちと同時にジーザスの体に有線マイクのコードも巻き付けられていき、Superstar直前は両手を左右に引っ張られた状態になります。
Superstar
群衆がジーザスを取り囲み、ユダが茨の冠を被せます。被った瞬間激痛に顔を歪めるジーザス。
Musical Theatre Reviewの公式Instagramより
曲中ジーザスは群衆から執拗に殴られ、蹴られ、放り投げられます。特に後ろから羽交い締めとヘッドロックしてたのがシモンを演じていた群衆で手のひら返しすぎ!とツッコミたくなりました。
群衆が磔用の十字架を持ってきて、そこにジーザスを磔にしていきます。Superstarの陽気な音楽にカンカンと磔の音が響くのは恐ろしかったです。
最後のユダのシャウトに合わせ、舞台上の十字架の上に磔にされたとき、後ろから青白い光に照らされて神々しくもありました。
John 19:41
ジーザスがいきたえるまで、舞台上にいる群衆はバラバラの方向を向いて立っていますが、ジーザスの方を見ずに笑い声を上げたり、コーラスも全て生歌なのでかなり不気味で生々しい感じです。
ジーザスが息絶えたあと、十字架から下ろされ、棺に入っているように仰向けに担がれて舞台上に降ろされます。
すると立ち上がり、普通に歩いてうずくまっていたユダの元へ歩いていき、自ら茨の冠を脱ぎます。
舞台上の全員が誰も磔になっていない十字架の方向を見ると、十字架がオレンジの光に照らされて幕がおります。
(この、磔にされたジーザスが普通に歩いてユダの元に行く演出は意外でした。復活を表してる?幽霊的なもの?というのは多分見た人に解釈が委ねられているのでしょうけど、他の誰でもなくユダの元に行くのがこの演出の肝だなと思いました。)