はじめて切なさを覚えた日
ふと見ていたテレビのワイドショーで「切なさを教える専門学校」について取り上げていた
最近世の中には切なさを感じたことがないという若者が増えているらしい
私はまだ19歳だが切なさという感情を知っている。いや、知っているつもりだ。
でもよく考えると私の切ないという感情が正しいのかどうか不安になってきた
切なさに正解があるのかは分からないが、もしかしたら何か得るものがあるかもしれない
私は次の日その専門学校に電話をし切なさ講座に申し込みをした。
その予備校には「愛しさ講座」「切なさ講座」そして「心強さ講座」の3つがあった。
愛しさと心強さは何となくわかる気がした。
何となく、だ。
何が答えなのかはしらない。
だからもし切なさ講座がいけると思ったらほかの講座を受けてみてもいいと思っていた
受講費は5回コースで15000円だった
まあ良心的なお値段だ
私のバイト代で十分まかなえる
次の日、その専門学校に行ってみると講師は50代くらいの半分黒髪半分白髪のオジサンだった。
どうやら切なさには色んな意味が含まれているようだった。
好きな人ができて切ない。
借金苦で貧しく切ない。
子供が事故で亡くなって切ない。
親が認知症になって切ない
その他応用編も学んだ。
家に帰って母親に「切ない時ってどんな時?」と唐突に尋ねてみた。
母親は即答した。
「あなたの大学の授業料がお母さんには胸が張り裂けそうなほどに切ないわ」
それを聞いた私もとても切なくなった。
ああ、切ないってこんな意味もあったんだ。
母からも応用編を学べるとは思っていなかった。
今日の切なさ講座の学費をせめてもの授業料の足しになぜ回さなかったのだろうと後悔の念に苛まれて切なくなった。
これからは母に授業料を返済しつつ、切なさを学ぼうと心に決めた。
山根さん、こんなお話しかできませんでした…。
すみません!
青ブラ文学部の名前を汚してしまうかも?
よろしければご査収のほど、よろしくお願いいたしますm(*_ _)m