日本上場株分析#3|「バリューチェーン統合型DXで企業を変革させる」Speee(4499)
日本上場株分析#4では、株式会社Speee(4499)について取り上げていきます。
※本記事は、2021年9月期第一四半期決算短信及び決算説明会資料を参考にして書き上げております。
1.企業概要
1-1.事業内容
Speeeは、企業向けにデータマーケティング能力及びデータ解析技術を活用したDX支援サービスを提供しています。
1-2.Speeeの考えるDX
DX支援を行う他社は、企業の特定のプロセスのみをデジタルに置換して効率を上げるのに対して、Speeeは最適なデータを活用して企業や業界全体のバリューチェーンの生産性を向上させるDXを推進させています。
バリューチェーン
事業活動を機能ごとに分類し、どの部分(機能)で付加価値が生み出されているか、競合と比較してどの部分に強み・弱みがあるかを分析し、事業戦略の有効性や改善の方向を探ること。
2.2つの主要事業とその他の事業
2-1.MarTech事業
MarTech事業では、各事業を通じて蓄積したデータを分析・利活用しながら、マーケティングのプランニングから実行までを持続的に支援するコンサルティングサービスを提供し、DXを推進しています。
収益は、定額の月額コンサルティング料を受け取り、また、データ分析結果を元に広告配信を代行し、広告出稿料を受け取っています。
幅広い業界の顧客を開拓しており、特にコロナ禍で小売(EC)の比率が増加しました。
2-2.X-Tech 事業
X-Tech事業では、リアル業界のDXを推進するマッチングプラットフォームを運営しており、不動産の二次流通市場でオンライン取引量1位の2つのサービス(イエウール、ヌリカエ)から成ります。
ユーザーの増加と加盟業者の増加によって、マッチング効率が高まり紹介数が増加する仕組みとなっています。
戦略として、市場規模が大きく、オンライン化比率の低い業界にターゲットを当てており、既存の不動産(イエウール)とリフォーム(ヌリカエ)サービスに加え、今後は、介護・福祉領域のプラットフォームサービスからの利益貢献を見込んでいます。
※介護・福祉領域のプラットフォームサービスは2020年12月より開始しており、2022年9月期から150百万円の利益貢献を見込んでいる。
2-3.その他の事業
ブロックチェーン技術を用いたサービスの開発を進行中。
3.業績推移
3-1.全社業績
売上高は2824百万円(YoY+24%)、営業利益は244百万円(YoY-16%)となりました。
営業利益は、前年同期に一時的な要因による営業利益増加があり、それを除くとプラス成⾧となっています。
3-2.セグメント別業績
~MarTech事業~
売上高は1634百万円、営業利益は462百万円となりました。
~X-Tech事業~
売上高は1192百万円、営業利益は269百万円となりました。
4.株価
株価は、4/2の終値が3655円(前日比-85円)となりました。
上場後は、下落が続いていましたが、3/25に開示した「子会社のDatachainがNTTデータとブロックチェーン間のインターオペラビリティ実現に向け技術連携をする」という内容を受けて、大出来高を付けて上昇しています。
時価総額は、368.91億円なので、小型株に分類されます。
5.最後に
今回の記事では、日本上場株分析#3として、株式会社Speeeについて取り上げてみました。
新事業への投資を行いながらも、決算ではしっかりと良い数字を出している優良企業だと思います。
新高値をとっていけるほどのポテンシャルは十分にあると思いますので、すぐ買ってみるのもよいと思います。(投資は自己判断でお願いします。)