自動運転の覇権争い~Intelはイスラエルで名乗り~

Intelがイスラエルで自動運転に関する世界最大規模の実証実験を開始した。

今回の実証実験の規模は100台程度であるため、自動運転で先行するカリフォルニア州でWaymo(Google)が自動運転車として登録している約50台の倍の規模であり、カリフォルニア州で最多の約100台を登録しているGMと同等の規模であり、世界最大規模の実証実験であることが分かる。

イスラエルは、Intelが昨年1.5兆円で買収した世界の運転補助システムADASのシェア70%超を持つと言われているMobileyeのお膝元である。イスラエルは、以前COMEMOでも取り上げたInnovizをはじめとする自動運転関連センサーの開発や、Continentalに$430Mで買収されたArgus Cyber SecurityによるConnected Carのセキュリティ技術など、自動車関連技術の開発で世界トップクラスであることで知られている。アプローチも独特で、各社で様々な種類のセンサーを組み合わせるマルチモーダルのセンシングが主流となる中、センサーとして「12個のカメラ(うち8個が自動運転のための周辺環境の360度センシング、4個が自動パーキング用)のみで実証実験を行っている」という。

これは、他のセンサーに何らかの不具合が起こった場合にも、カメラがセンサーとして機能していれば十分な安全性が確保できるよう配慮したものである。この手法を採用することにより、安全性に対して2重3重に保険がかかるようになる。カメラのみでの実証実験か、2,3週間の間に行われる次フェーズでは、レーダーやLidarも加えた実証実験に展開していく予定であるという。

筆者も先月イスラエルを訪れたが、記事内に「“notorious for aggressive driving”(攻撃的な運転で悪名高い。)」とあるように、運転が丁寧とはいえず、イレギュラーな動きをするドライバーも多い。このような環境の中で鍛えられたイレギュラーな環境に強い自動運転技術への期待に胸が躍る。

https://newsroom.intel.com/editorials/if-you-can-drive-jerusalem-you-can-drive-almost-anywhere/

https://techcrunch.com/2018/05/17/intel-starts-testing-self-driving-cars-in-jerusalem/

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