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東北食べる通信2024年11月号 編集後記

私が編集長をつとめている東北食べる通信

読者の方への配送を終えた2024年11月号の編集後記を掲載したい。

特集したのは、サンマ。
大船渡市の水産会社、鎌田水産と、鎌田水産が保有するサンマ船、第三 三笠丸の取材をおこなった。

鎌田水産は、魚価低迷や経費増大で多くのサンマ漁船が廃業し始めた2006年に、あえてイチからサンマ船団整備に踏み切った会社だ。現在199トンの巨大なサンマ船を6隻保有し、日本最大のサンマ漁船団を持つにいたった。

水産加工だけでなく、自前で魚もとる。
東日本では珍しい垂直統合の水産会社といえるだろう。

第三 三笠丸

東北食べる通信2024年11月号 編集後記

▼大衆魚の代表といわれてきたサンマ。だが不漁が長く続き三陸でもここ数年、店頭に並ぶことはめっきり減ってしまった。「不漁」「不作」といった表面的なニュースの裏側で、本当に現場でおきていることはなにか?当事者の思いは?を取材したいと本号を企画した。

▼親潮の潮流が変化し、日本から遠い水域でしか捕れなくなってしまったサンマ。もし鎌田水産が自前の船団整備という決断をしていなかったら、我々の食卓にのぼるサンマはさらに減っていたことだろう。

▼鎌田社長いわく「養殖と違って天然ものは予測が立てられないから、普通の企業だったら怖くて手を出せない」。そんなアップダウンを受け止めるような大きな器がないと、この仕事はできない。鎌田社長の穏やかな表情から、長く水産業に関わってきた経営者の器の大きさをひしひしと感じた。


▼そしてサンマは今年特集しなかったら、今度はいつ特集できるか、わからない。変わり続ける日本の海。サンマは今まさに特集すべきサカナだったと思う。

鎌田水産 鎌田仁社長


サンマの水揚げ

本号の本編は、機会があればnoteでも公開したいと思います。

現段階で本誌が気になる方は、東北食べる通信編集部(info@taberu.me)までご連絡をお願いします。

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