感じの良さは人としての必須スキル/食とまなびのブログ
先日参加した研修会でのこと。
研修開始時間が迫り客席がドンドン埋まっていく、まさしく本番開始直前、不具合なのかプロジェクターが動作しないトラブルが起きているみたいだった。
私は参加してる側だが、講師の気持ちはよくわかるので、ヤキモキ、ドキドキした。(実際、プロジェクター絡みのトラブルはよくある)
少し早めに着いた私はその一部始終を客観的に客席から見ていた。
そして、運営スタッフの対応に感動したのだった。
時間制限がある中、しかも制限が目前に迫っている中、トラブルが発生し予定が狂ってバタバタしている。
間違いなく、いっぱいいっぱいにもなって焦っている状態。
これは多くの人が似たような経験したことがあるだろうと思う。
私もよく出くわす場面。
それを思い出して欲しい。
この時、まさしくプロジェクターをいじっていたスタッフの対応が物凄く感じが良かったのである。
社外にはもちろんのこと。
社内間の言葉遣いですら、感じが良い!
“感じ悪くない”ではなく、“感じが良い”のだ!
本当に凄いことだと感心した!
トラブルを誰のせいにするでもなく、各々の役割をきちんと、的確にスピーディーに、そして感じ良く対応していく。
言葉にするとなんてことないように感じるかもしれないが、いっぱいいっぱいになっている心理状態でこれが出来ない人は、私を含めて多いだろう。
私はこういった状況になると、ついつい「話しかけないでくれオーラ」をガンガンに出し始めてしまう・・・。
反省である。
このエピソードは、先日の研修、勉強会でのこと。
大阪の岡山フードサービス株式会社では、(8月12月除く)毎月一回外食産業繁盛塾という勉強会を開催している。
なんと、この回は267回だというから27年以上やっていることになる。
私も以前、この場で話をさせていただいたので、利害が全く無いかといえば嘘になるが、ヨイショや忖度ではなく、素直に感動したのでこれを書きたいと思った。
では、なぜこういう対応が出来たのか?
個人的な能力、キャパのなせる業か?
何度も開催しているが故の経験値によるものか?
もちろん、そういったことも一因だろうと思うが、この会社と仕事をしたことがある私としては、個人的なものや経験だけでなく、組織全体の感じの良さ、社風という要因を強く感じる。
私が外食産業繁盛塾で話をさせていただいた時、なんといっても岡山社長の人柄と笑顔に惹き付けられてしまった。
そして恐らく社員の皆さんも同じで、岡山社長のために力を合わせているように感じた。
大久保寛司先生は“組織の業績を決めるのは雰囲気だ”“いい雰囲気を作るためにはトップの機嫌が大事だ”と言ったが、まさしくその通りだと感じる。
岡山社長だけでなく、社員の皆さんも総じて、感じが良く、笑顔が素敵なのである。
それがこの企業の社風であり強さだと考える。
結構見逃されがちだが、
感じ良くすることほど大事なスキルがあるだろうか?
顧客に対して感じ良くすることはもちろんだが、自社内でも感じの良さが大事なことは前述の大久保寛司さんだけでなく、Googleが発表したプロジェクトアリストテレスでも、ダニエルキム教授の成功の循環モデルでも同じことが言われている。
さらに言えば、仕事だけではなく、近所付き合いや友人関係、夫婦関係、全ての人間関係を円滑にするもの(=生きやすさ)、それがまさしく“感じの良さ”だ。
しかし、ほとんどの人は、
どのようにすれば他人が感じ良いと感じるのかを教わらずに育つ。
驚くべきことではないだろうか。
感じの良さは小学校低学年の頃、母ちゃんから教えられることと同レベルにあると思う。
例えば、“挨拶をする”“ありがとうを言う”“嘘をつかない”“約束を守る”“優しくする”などなど、いわば、人としてのマナーといったところ。
挨拶をするとか、ありがとうと言うことがまさしく感じの良さを作り出すのではないか、という考えもあるかもしれないが、それは必要にして不十分といえる。
例えば、感じの悪い挨拶も感じの悪いありがとうもあるからである。
要するに、
感じの良さというものは、何を言うか、何をするかだけではなく、
どう言うか、どうやるかが非常に重要で、
まさにこここそが他人から教わらない部分なのである。
しかし、人間は行動のほとんどを無意識=習慣で実施しているので、日ごろの言動を変化させようとすれば、日常の環境を変えていくことが非常に大事となる。
だからこそ、組織風土がスタッフの言動に大きく影響を与えるようになるのだ。一番影響力のある人、その組織のトップや直属の上司が感じの良い振る舞いをしていくことにより、組織全体が感じよくなっていくことになる。
私自身の仕事の話につなげると嫌らしい話しになってしまうが、この問題は本当に重大な問題だと考えている。
本気でそう考えているからこそ、私の仕事でもとことん感じの良さを追求し、感じがよくなる研修を実施させていただいているのである。
簡単に、感じの良い対応とはどういったことを言うのかを紹介して終わりにする。
それは、皆さんの身の回りにもいる、感じの良い人たちの共通点を見ていけば分かる。
まず、大きく4つに分かれる。
1.表情 2.言葉遣い 3.話し方 4.体の使い方
さらにそれぞれが細分化してポイントがある。例えば、
1.表情:笑顔、アイコンタクト、眼差し
2.言葉遣い:敬語丁寧語、相手に合わせた言葉、ありがとう、ポジティブ後、クッション言葉など
3.話し方:音量、カツゼツ、語尾、間の取り方、感情の表現、あとよし言葉
4.体の使い方:姿勢、肩の使い方、オーバーリアクション、スピードのメリハリ、ひざの使い方、山なり動作、距離の取り方。
などに分かれていく。
もちろん、他にも要素はあるだろうが、まずはこういったことを1つ1つ取り入れていくことにより、感じの良さは作られていく。
なお、感じの良さ研修のご依頼はメッセージを下さい!
感謝します。