あなたの頭が固くなる理由/食とまなびのブログ
先日、ある会合で「学べば学ぶほど無知を知りますよね。人間はたくさんのことを知ったつもりになって、無知のまま死んで行くのでしょうね」と、まるでどこぞの哲学者のようなことを仰っていた方がいました。
しかし、この言葉、本当に仰る通りですよね。
赤ちゃんができると世の中赤ちゃんだらけに見えるようになるように、脳は興味関心のあるものを無意識レベルでキャッチするようになっています。
ということは、人は興味のある情報ばかりを収集し、学んでいるということが言えます。
ましてや、いまや、グーグル先生が履歴などから興味関心のあるであろうものをチョイスし、勝手に表示してくれる時代です。
収集している情報のほとんどがネットからという人もいるであろうことを考えると、脳のシステムだけでなく、それはさらに強化される方向なのでしょう。
しかし先日、自分の中にある矛盾に気づいたのです。
『私は偏っていない。私は結構バランスよく多様な情報を収集し学んでいる』と思っている自分に気づいたのです。
恐ろしいです(笑)
あなたもそう思っていませんか?
冒頭の言葉に返って来ますね。
もちろん、脳の仕組みですからそんなわけがなく。
もしバランスが取れているとすれば、よほど常に意識をして興味の無いものに注意を向けてアプローチし続けるという難易度の高い行動が必要になります。
自分の興味のあることばかりを収集し、学ぶことは決して悪いことではありません。
より専門的に、より深く学んでいくことにより見えてくる世界は変わってきます。
しかしそれと同時に、違ったジャンルのものを学ぶことで発見すること、気づくことがあるのも事実です。
そして、特に興味の無い分野であればあるほど、今までにない発見があったりするものです。
ましてや、自身の無知を知るためにも、たまにはこういったアプローチをあえて実行してみるのは大事ではないかと考えます。
ある文章を読んで「つじつまが合うんだなぁ!」とつぶやいている人がいました。
自分の考えと合致する文章、考え方に出会ったのでしょう。
しかしです。
自分の考え方に沿うものを見つけると心地よいものです。
少し穿った見方かもしれませんが、自分の理屈、自分の考え方に沿うものを無意識でピックアップしているとしたら、世の中はつじつまが合ってくるのが当然です。
これもついつい自分自身がそうなっていないか?と自問自答しました。
やっぱり自分も、そうなっているんですよねぇ。
つじつまが合ってくるんです。
だから、年を取ると頭が固くなり、“こうでなくちゃいけない!”“こうすべきだ!”という意識が強くなるのでしょうね。
これを繰り返すと、自分の考えはやはり正しいのだ!と強い自信となり、自信が強くなればなるほど、全く違った考え方に触れたときに大きな驚きとなる。場合によっては、それが信じられないということになるわけです。
不意に違う考えに出くわしたときに感じる違和感や驚き、そしてそこからの発見は自分を成長させてくれます。
違った考え方を知ること、触れること、見聞きすること。
これを積極的に自分から取りにいくこと。
これって本当に面白いと感じるのです。
感謝します