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No.19 「外貨を持つ意味」続編
この前の話の続きなんですが、外貨を持たなければならない意味をさらに見ていきましょう。
現在の日本政府の負債は今や1200兆円を突破しています。
日本政府の負債、それは国債、借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」のことです。
でも、これですぐにどうこうなるわけではありません。
国民の金融資産は約1800兆円あって、間接的に国民が銀行を通じて国債を購入する仕組みが出来上がっているからです。
日本国債だけを見れば外国保有割合は約8%と小さく、日本が急にどうこうなるわけではないと思われます。
ここで、国民の金融資産1800兆円と政府債務残高1200兆円の差額600兆円に視点を移すと、この600兆円以内であれば何とか現状を維持できると考えられますね。
ここで問題なのは、国民金融資産が1800兆円のまま横ばいで推移しているということと、政府債務残高(国の借金)がおよそ年間40兆円ずつ増えているということなんです。
このままいけば、600兆円÷40兆円=15年で国民資産より国の借金が多くなるということなんです。
さらに言うと、このコロナ禍で借金増加ペースが早まっているんですね。
去年、2020年の国の借金(国債発行)はおよそ110兆円ほどになっており、近年、国債発行のペースがかなり上がっているということを知っておいた方がいいですね。
このような状況を見れば、猶予期間は15年ほどどころか、10年前後と考えた方が賢明なようです。
つまり、コロナ対策、高齢化による医療介護費用の爆増、国民人口の減少を考えれば国の収入は減り、国の支出は雪だるま式に増え続けるわけです。
そうなると、10年から15年後には日本の国債を外国にドンドン買ってもらわなければならない。
そうするためには、日本国債の金利を上げて、国債の魅力を上げないと買ってもらえない。
これによる利払い爆増により、国の財政は急速に悪化する、同時に国の信用も大きく下がります。
このため、円は売られます。
どの程度かは分からないが、円は急落するでしょう、急激な円安です。
大きくインフレが加速していきます。
まあ、こうならないために、国は施策を打つのは当然です。
まず、金融政策は現状のインフレ政策を進めます。
その結果、物価を上昇させます。その結果、貨幣価値を下げる、つまり早めにある程度、円安に持っていく。
注)なぜそうするかというと、借金があってもインフレが進んでいくと借金の負担感は下がっていくからです。借金の金額はインフレになっても変わらないのに貨幣価値そのものが下がっていくので借金を返すのは楽になります。日本では現在5000万円の土地も50年前は数万円から数十万円だったんです。インフレが進み、貨幣価値がどんどん下がり、ものの値段が上がったんです。それでも50年前の土地の購入のための借金額は数十万円のままですから簡単に繰り上げ返済できてしまっていたんですね。日本の1940年くらいから1990年くらいまでの話しです。
そして貨幣価値を下げたところで、増税に持っていき借金を返すという施策です。これも国民には多大な負担がのしかかりますが、何もしないよりはましと思います。
だから、あなたは外貨をある程度は持っておいた方がいいのです。少しずつでも外貨を買い、10年、15年、とコツコツ買い溜める、言い換えれば積み立てるんです。その積み立てたお金を極力殖やすために何を買い付けていくべきなのか?これ、ポイントです。
それは、これまでお読みいただいている方にはお分かりだと思いますが、債券ではだめで、株式でなければならないんです。
株式を出来るだけ分散して買う、でもそんなことあなたが相場を見ながら買い付けていくなんてことできないですから、そんなことをおまかせでやってくれる「投資信託」で行うことがこの場合は最良の方法です。