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新聞連載小説『陥穽』、毎朝必ず読む、歴史好きといいながら不知を痛感する。

 社会経済を知り、株式投資知識習得のためも、永らく日経新聞を定期購読している。その記事の中で、かならず読んでいるのが、最後のページにある連載小説だ。いまは、辻原 登著『陥穽』である。
 自称歴史好き、小説より様々な歴史の書物が好き。しかし、この新聞連載小説を毎朝、読むと、この小説の主人公 陸奥宗光のこと、知っているようで、ほとんど知らなかったことを恥じ、そして不知、ほとんど知らなかったことを痛感している。
 なぁに、どんな学問でも知らないことは多々ある、まして学者や専門家であるまいし、素人の読者がいちいち反省する必要はない、そう言われるのが一般である、そうかもしれない。
 陸奥宗光、大学受験でも、教科書でも、かならず出ている。明治維新以後の政治家で、富国強兵や不平等条約改正に功績があったと云う認識であった。
 それはそうだが、生い立ちから現在、掲載中の禁固5年の経緯に至るまで、全然、知らないどころか、関心もなかった。
 徳川御三家の紀州徳川家家臣の家に生まれたが、父が政争に巻き込まれれて没落、父や兄とともに苦難の道を歩む。江戸の出て飛脚もした、様々な活動を経て、維新にいたるまでも、危ない橋、たいへんな情況下で生き抜いた。明治新政府でいろいろ活動する。
 新政府のやり方に反発し、西郷隆盛の起こした西南戦争に呼応するべく準備したが、情勢に利がなく、テロまがいも計画して、獄に下った。
 いまは、その直前状態である。
 結末は、わかっている。しかし、それに至る過程や宗光の考え、心中の変化が愉しみだ。

裏庭のサザンカ、もうしだいにお仕舞を感じさせる。

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