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読書感想 星亮一著『河井継之助』 

 NHKの「英雄たちの選択」で、河井継之助をテーマとしていた。面白かった。さらに何か読もうと、図書館のホームページを探したら、小説で、『河井継之助』、著者は星亮一、初めてだが、仙台生まれの東北大学出身、新聞記者やテレビ局プロデューサー経験者。その流れで、河井継之助のファンだろう、そして一代記を書いたと推測する。
 小説だけに、面白く書いている。
 内容的には、この河井継之助、長岡藩、越後の国(いまの新潟県)、面積は大きく、戦国時代的には、上杉氏、上杉謙信の地盤であったが、江戸時代以降は、もうひとつパッとしない。昭和では、田中角栄で、一世を風靡してはいる。
 幕末、幕府はもう旗本八万旗、そんな組織力も軍事力その他もろもろ、もうない。徳川300年、いったいなんだったのか、これからの日本を考えるうえでも、いい材料だけど。所詮、世襲制や経年劣化で、組織自体が新しい時代に合わないうえに、内部改革ができないようになってくる。
 そうしたものか。
 長岡藩牧野6万石、西隣の金沢前田藩100万石、全然、大勢に流れただけ。我が明石藩も6万石だが親藩松平藩も前田藩に同じく、天下の大勢に就いている。洞ヶ峠なのだ。筒井順慶みたいなもの。みんな同じだけど。
 河井も、状況次第で、朝廷側に就く可能性もあった。相手が、認めなかった、そして大軍に負け、負傷し、会津に逃れるなか戦死した。
 その意気や、見事である。
 状況を読み、自らと周囲の人々、どうすのか、いい参考になる。
 日本も、ロシアのウクライナ侵攻に際して、さっさと降伏したらいいとメディアで発言した評論家がいた、またウクライナも悪いというロシア寄りの政治家もいた。
 いろいろあるだろう。
 河井継之助、そういう状況下でトップ、元々は、一藩士、能力や知識、その他もろもろを買われて、藩の運命をかじ取りした。それがよかったか、悪かったか、容易には、判断できない。結果をみて、あれこれは、いまの時代、歴史を見た人の判断、状況によっては、官軍を停止させ、講話や反撃をできたかもしれない。
 ウクライナも、アメリカをはじめとする国々の支援で、半年を経過して、反撃している。プーチンは、軽く一蹴するつもりだったのだろう。
結果は、はじめはわからない。一か八かの大勝負、自分と家族と仲間と藩の運命をかけた、必死の一番。
 昔の人の伝記、つい最近は、渡辺淳一著『遠き落日』、野栗英世の一代記、その生き方、生き様を参考にしたい。
 もうすぐ70歳、死ぬまで元気でがんばろう!

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