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やっぱり普通でいい

 渡辺淳一全集第10巻『化粧』初春の章まで読んだ。また、この先生の特異な分野、先生はイケメン、さぞや多方面に活躍されたと思う。もう亡くなったから名誉もなにもない、お怒りになられることもない。いい作品、きわめて素晴らしいと、こころから思える小説・伝記も書かれているだけに、この得意分野、官能小説、やはり品性を疑ってしまう。
 いいことか悪いことか、よう言わん。
 『化粧』、京都の由緒ある料亭の女将さん、養子の亭主があり、20代後半、その方が、お客様、50代前だったか、椎名という男性と深い関係になって、妊娠する。男は、堕せといい、女将は産むという。母から妊娠の疑いを尋ねられ、産むと言い張り、夫にも他の男のこどもを孕んだと言った。夫は、他の女と浮気したとも告白した。
 この先生の小説、いろいろ読んだ。ああ、またかと思う。
 不倫や婚外性交、そんなに好きか。男なら好きだろう。しかし、それに伴う多くの問題、面倒くさくないか、この小説にも、いろいろ書かれているから、先生も重々承知で、それをネタに小説を書いているのだろう。
 そういう社会が、厳然としてあるのだ。いまの日本、この小説が書かれたのは、だいぶ前だけど、時代が違うといっても、まだまだ、そんなものだろう。いまの時代の、若い人の恋愛小説、昔から全然、読まない、読まずに、あれこれ言うのは片腹痛いが、その程度のもの。犬や猫の盛りもの。
 それを好きこのんで読んでいるのも変だけど、社会勉強の一環として、最後まで読むつもり。
 現実の世界は、どうなのか。知りたくもない。
 先輩や同僚、部下で、その種の動きが多々あったから、現実には多数あるのだろう。推測でしかない、私も機会があれば、それを否定はしない。残念ながら、達成はできなかった。これも犬猫と同じだろう。
 それも人生、これも人生。
 神を信ぜよ。
 みんな色気違いか、真面目一筋か。どうでもいいんだ。
 今日から大相撲だ。力と力、技と技、男でよかった。
 色恋沙汰の日々なんて、ちょっと悲しい。やってしまえば、終わり。
 ひたすら快楽に耽り込むか。
 人間って何かって、再び想う。
 『化粧』、まだまだ半分、これからどうなるのか、わからない。いろいろ同時進行で読んでいるから、結末は、まだ一週間以上先のこと。
 感想としては、色恋沙汰は、人間を狂わせる。
 おんなは一人でいい。

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