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渡辺淳一全集 第6巻読了     『阿寒に果つ』、『冬の火花』

 もうやみつき。たまたま全集のうち一つの本、ハードカバー『うたかた』を読んで、その小説としての面白さに感動して、全集第1巻からずっと読み続けている。図書館で借りているけど、もう触れなば落ちんって感じでぼろぼろ、きっと多くの人が読んだのだろう。

 他人に読ませる技術、テーマ、内容やストーリー、大変、よくできていて、いまのところ、よう文句をつけられない。

 今回の全集第5巻、表題に記した『阿寒に果つ』、若くして天才画家として評価された高校生の自死に至るまでのこと、特に、作者渡辺淳一氏そのひとの初恋を兼ねたものとされる。それだけに感慨があろうかと思う。

 ひとりの若き天才女子を巡って、周囲の男たち、そして自分。

 もう一つの小説、『冬の火花』、和歌への才能もあったが、当時の状況として結婚、戦後の混乱で、夫は、破産や不倫などから離婚へと、主人公の生活も厳しい、そこへ和歌の才能が開花し、全国的なものになる。

 恋愛も数多く、和歌も全国的なレベルになるものの、癌に侵され、次第に病がちになる。死の直前まで恋愛が続く、そして壮絶な死、作者は、医者だけに、癌の発生から死に至るまでの描写、患者の心理的状態など、専門的に知悉しているのであろう。

 一気に読んでしまった。

 次は、第6巻へ、もうすでに予約確保済みである。明日、図書館へ行って、読もう。

 思うに、いわゆる読書家、いったい一日にどのくらいの読書量なのであろうか。私も本好きである。時間のできた退職後にして、ようやく、ある意味、読書三昧の生活ができるようになった。

 まだ死ぬまでに、いろいろやりたいことがある。読書以外に、小説やその他の本は、あくまでも他人様の創作や研究、記録である。自分の経験を基盤にしたもので、さらに最後に燃えてみたいものだ。

 もうスポーツや全身を使っての闘争などは、無理にしても、旅行とかは不可能ではない。3年前には、弘法大師の開いた四国遍路や西国巡礼をした。それなりに、いい経験、おもしろかった。

 人間、最後まで、面白、おかしく過ごしたいものだ。

 テレビのお笑いを見て、笑っているのが面白いのではない。

 自分で笑う、あるいは微笑むのだ。

 時間よ止まれ、お前は美しい。

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