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渡辺淳一全集第8巻『流氷への旅』『氷紋」を読んでの思い

 女性の一途な思い、冬のオホーツク海に漂う流氷を見たいと北海道に行った女性の恋愛や大学教授の娘がその弟子と結婚するが、結果的に不倫に至るといった小説である。
 著者は、写真で見る限り、いま言うイケメンである。そして社会的地位も高く収入も多い医者であり、その後、有名小説家となった人である。さぞや若い頃から、女性遍歴、また男女間の恋愛話にも、広い知見をお持ちであろう。
 そうした経験や見聞から、渡辺先生の作品では、官能ものが多いと思う。
結果として、そうなったが、だいたい人たるもの、この種の小説大好きである。恋愛や不倫もの、読んでいても、性行為に至る過程、心理描写そして周囲の動きなど、多くの人が関心をもっていると推測する。
 だから売れるのである。
 多くの硬派小説家も、男女の愛欲小説を多く書いているところである。下世話にいえば、みんな好きやぁで了解されてしまう。
 いま日本は、少子高齢化だある。高齢化は、やむを得ない。少子化は、未婚者の増加、昔のような世間体を憚って、気に染まぬ親からの見合い話に泣く泣く、とか社会を欺くための偽装結婚、公然と否定している状況にある。
それが男女の本心かと言えば、かならずしも肯定できない。
 ちょっと前、新聞紙上に、成人年齢の引き下げによりAV法がどうのという記事があった。昔に比べると、取り締まりは無いようなものである。
だから結婚しない、子供が少ないという話である。
 みんな奥手になってしまったのだ。
 社会が若い男女に結婚、妊娠、出産を促す方策を考えないと、年金問題どころか、社会の活性化は下方下方に落ちていく。
 人口増加こそ、社会活性化の源である。
 渡辺淳一先生の描く男女の恋愛、愛欲を当然のこととし、しゃかいの活性化を進めよう。
 などと思いました。
 面白い小説ではありました。
 人間、ある程度達観すると、金も地位も要らない、しかし、女だけは危ない、身を持ち崩すおそれがある。
 これまで、知人、友人、親戚など多方面で、女でしくじって社会的地位を失った者がどれほど多いか。
 でも、それも人生の一興ではあります。
 自己責任で考えましょう。
 老いらくの恋なんて。
 おやすみなさいませ。

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