2025年1月14日(火)「未利用魚・トウジン」
今日の東京は快晴。
朝方の最低気温は-1℃、日中の最高気温は12℃。今日も晴れ晴れとしたキモチの良い一日でしたね。さて、
昨日は料理をする上で基本となる「調味料・塩」についてお届けしましたが、本日は「未利用魚・トウジン」についてお届けしたいと思います。
トウジン。
このおサカナは形状的には先週お伝えした「未利用魚・ギンザメ」に似ていなくもない深海魚ですが、矢張り市場やらスーパーには出回る類のおサカナでは無いので、一般的に知ってるヒトはほぼいないのだろうと思います。
もしもいるとすれば、やっぱり深海底引網漁の水揚げ港の地元民の方ぐらいでありましょう。或いは深海魚マニア?(笑)
実際このサカナの棲息域は、大体水深500m前後(まぁ、300~1,000mですかね)で、日本だと太平洋岸の暖海域にいるとされています。だから、自分の地元でもある一色や西浦等の深海底引網漁の水揚げ港で時々見掛けるんですね。
このヘンテコな名前は、その容貌から来ているワケですが、トウジン=唐人=西洋人(あれ?この単語は毛唐とか、支那人並みに差別用語じゃね?…ま、取り敢えずソレはさて置き(笑))。この特色のある先の尖がった口吻(?)が、西洋人の高い鼻に見立てられるコトから付けられた名前のようです。因みに、トウジンはこの間ご紹介のギンザメに形は似てはいるのですが、アチラがサメの仲間の軟骨魚類であるのに対して、コチラは硬骨魚類であり、タラ目ソコダラ科に属する魚なので、全くの別物であります。
ただ、カタチが似ているので(=アタマでっかちで、尻尾に向けて身が細くなっている)、可食部が少ないトコロはとっても似ています(即ち、双方共に歩留まりの悪いサカナであります)。
そんな少ない身でも、淡白な白身はクセも無くお上品で美味い。水分がやや多めではあるので、昆布締めとかフライとか、水分を出す調理方法を採れば、とっても美味しく戴けるんですね。また、肝がとっても美味いので、肝醤油で刺身食べたり、肝の煮付なんかも非常に良いです。
とまぁ、あんまりメジャーなサカナでは無いモノの、美味い魚であるコトには違いないので、見付けたら是非お試し戴きたいと思いますね~。
明日は「調理道具・酒燗器『かんまかせ』」についてお届けしたいと思います。