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2024年1月26日(金)「漁師料理・ひゅうが飯とりゅうきゅう」

今日の東京も引き続き快晴。
朝方の最低気温は-2℃、日中の最高気温は10℃台迄上昇。まだ、多少は寒い日が続いてますかね。さて、

昨日は未利用魚の調達先の一つとしてネラっている「未利用魚・小田原市公設水産地方卸売市場」についてお届けしましたが、今日は「漁師料理・ひゅうが飯りゅうきゅう」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

ひゅうが飯とりゅうきゅう。
何れも、郷土料理であり漁師メシですね。要は、漁師達が船上で火を使わずにパパっと食べられるようにした海鮮丼のようなモンです。

まずは、ひゅうが飯。
コレは愛媛県南部で良く作られている郷土料理の一つであり、漁師料理です。具体的には、新鮮な三枚におろした魚の刺身を使い(主にはマアジ)、すりおろした胡麻・ネギ・みかんの皮・醤油・酒・みりんを合わせた調味料に漬け込み、ソレを生卵と一緒にゴハンに掛けるだけの、カンタン海鮮丼です。刻み海苔なんかも掛けると、より美味さは増しますかね。以前お伝えした鯛めしでも、宇和島近辺のヤツはこのひゅうが飯に使う魚をタイにしたモノとも言えます。鮮度の良い刺身に卵、ソレに醤油・酒・みりんベースのタレに薬味の丼モノならば、不味かろうハズはありませんね。
このひゅうが飯は元々は宇和島沖にある日振島の漁師料理らしいのですが、多分日本全国他のトコロにも似たような漁師料理は沢山ありそうなカンジです。
「ひゅうが」とは日向、即ち現在の宮崎県のコトを指すのだと思いますが、ひゅうが飯の発祥の地とされる日振島とは随分と離れています。日向の国から日振島に伝わった説もあるようですが、現在の宮崎の郷土料理の中には素焼魚の身を解して味噌で作る「冷や汁」やカツオを使ったお茶漬け的な「かつおめし」はあっても、ひゅうが飯的な海鮮丼は無さそうなので、その説もホンマかいな?とも思えてしまいます。不思議なネーミングですねぇ。

お次はりゅうきゅう
コチラは大分県の郷土料理で、ひゅうが飯と同様に新鮮なブリやマアジ、サバ等の旬の魚の刺身に醤油・酒・みりん・生姜等で合わせたタレに漬け込み、薬味と一緒に食べるモノ。ただ、ひゅうが飯と異なるのは、ひゅうが飯は海鮮丼であって最初からゴハンとセットの丼モノであるのに対し、コチラはゴハン抜きのツマミとしても食うし、ゴハンに乗せればりゅうきゅう丼に、更にはお茶漬けなんかにもしてしまうと言うコトなので、守備範囲はコチラの方が広いとも言えますかね(所謂アタマ部分はほぼほぼ同じですが、卵を入れない点は違うか…)。
宇和島の「ひゅうが飯」と言うネーミングも不思議ですが、大分の「りゅうきゅう」ってのも不思議なネーミングです。何れも定説にはなっていないようですが2説あり、一つは琉球の漁師にその作り方を教わった説と、胡麻和えにする料理を「利休和え」と呼ぶコトからその訛でこの名称になった説。個人的には、後者の方が尤もらしいかな?と思ってます。
ただ、このりゅうきゅうを使った丼モノについては、別名を「あつめし」と言ったり「ひゅうが丼」と言ったりするようで、地図をよくよく見てみれば、このりゅうきゅうが良く食べられている大分南東部の佐伯津久見と言うのは豊後水道を隔てた日振島の対岸になるワケなので、恐らく同じ料理が夫々大分南部と日振島に伝わったモノではないかと思われます。出所が、日向だったのか琉球だったのかは定かではありませんが(笑)。

とまぁ、ひゅうが飯にしろ、りゅうきゅうにしろ、鮮度良い刺身でカンタンに出来る漁師料理でもあるので、この手のモノはお店でも出せそうですね。

と言うコトで、今週はコレにて。
来週は「未利用魚(?)・ソウダガツオ」についてお届けする予定です。
それでは、今週末は良い天気が続くようなので、良い週末をお過ごし下さい~!


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